映画をみた感想のつもりがただの自分語りになっちゃった!
大人になったらもっと強くなれると思っていた。過去にとらわれて泣くことなどないと思っていた。
22歳になって大学を卒業してから半年が経とうとしている今、正直自分が世間一般で言う「大人」になれているとは到底思えない。実家暮らしで、満足な額を家に入れられているわけでもない。すぐに出ようと考えていた家に住み続けて、いまだに母のすねをかじっている。
そんな表面的なことだけでなく、内面においても何かが成長したなと思ったことがない。12年間同じことで泣きじゃくり、人生で一番憎い人と同じような行いをしてしまったから。
「愛の小さな歴史」という映画をみた。80分程度の短い映画で、好きな俳優が出ているから気分転換にみた。
映画に出てくる主人公は自分を捨てた父親を憎んでいた。心の底から。勝手に死んでしまえばいいとも言っていた。
突然訪れてきた父親の知人だと話す男性から「憎むより許すほうが気が楽になる」と言われて、父親に会いに行く決意をした。強い。憎む相手の顔を見たら、自分がどうなってしまうのかわからない。そのような人に会いに行く勇気がすごい。
わたしにも憎くて堪らない人はいるけれど、もしその人に会いに行く機会ができたとして、顔を見てまともに話ができるだろうか。その人のことを受け入れることはできるのだろうか。
このようなことを思い出すような映画だと思わなかったから、少し油断していたのかもしれない。深くこのことについて考え込んでしまった。
憎い人が生きていたとしても、幸せでも不幸でもわたしには関係ない。たとえもういない人だとしても、わたしになんの影響もない。
でもいないと分かったら、苦しくて、あの頃のように泣きじゃくる夜が続くかもしれない。結局、過去にとらわれていて、自分のすべてを過去のせいにして、馬鹿みたいに生きているんだということを突きつけられるのが、こわいだけなのかもしれないけれど。
美しい思い出しか残っていないから、時々会って話してみたいと思う。はっきりと理由を聞いたことがあるのに、それでもまだどこかで好きなんだろう。そんな自分は愚かで嫌いだ。
でも、許されるのならどちらかが死ぬ前に一度会いたい。