見出し画像

入管法改正案に反対します

今国会で審議中の出入国管理法(入管法)改正について、出入国在留管理庁のサイトで解説がある。

日本に在留する外国人の中には,ごく一部ですが,他人名義の旅券を用いるなどして不法に日本に入国した人,就労許可がないのに就労(不法就労)している人,許可された在留期間を超えて不法に日本国内に滞在している人(※),日本の刑法等で定める様々な犯罪を行い,相当期間の実刑判決を受けて服役する人たちがいます。
〇 今回の入管法改正法案の基本的な考え方は,次の3つです。
 (1) 日本への在留が認められる外国人かどうかを,適切かつ速やかに見極める。
 (2) 日本への在留が認められない外国人は,速やかに日本から退去させる。
 (3) 当庁の収容施設への収容ができる限り長期化しないようにするとともに,収容施設での一層適切な処遇を実施する。

〇 これらの基本的な考え方に基づき,様々な方策を組み合わせてパッケージで実施し,退去強制手続を一層適切かつ効果的なものとし,送還忌避・長期収容問題の解決を図ることを目的としています。
(出入国在留管理庁ホームページ「入管法改正案について」)

入管法改正の理由においては、不法とされることの理由や事情、程度に関わらず、「在留が認められない外国人」として包括的に扱う。また、強制退去という人の人生に関わる措置を、「速やかに」「パッケージで実施」したいとのことである。

ここで、ジャーナリスト・安田 菜津紀さんの、2020年4月1日の記事『国に帰れないことは「罪」なのか ―誤った事実を元に議論されていた「刑事罰」』を読んでみたい。 

安田:例えば、帰国することができない方には、具体的にどういった事情があるのでしょうか?
児玉弁護士:先ほど触れたように、難民の方たちが挙げられます。本国に帰ったら、殺されてしまうかもしれないというケースもあります。
児玉弁護士:仮放免中の方が起こした犯罪として、四つ事例が載せられていました。そのうちの一つが、警察官に対する殺人未遂、公務執行妨害、銃刀法違反として載せられていたんです。確かに判決では、刃物を持っていたので銃刀法違反は有罪でした。けれどそもそも殺人未遂は、起訴すらされていなかったんですね。公務執行妨害については刺した行為が認められないので無罪、となっています。
(Dialogue for People『国に帰れないことは「罪」なのか ―誤った事実を元に議論されていた「刑事罰」』(2020.4.1))

私自身、入管法改正については勉強不足で、引用することしかできない。安田さんの記事としか比較もしていないので、私の意見の裏付けとしては不足していると思う。しかしながら、行政機関の公式サイトである以上、人の命に関わる法改正であれば、長くなっても必要な説明をするべきだ。一方、安田さんは入管法について追い続けてきた方で、自分にとって説得力、「確からしさ」があった。とりあえず、本日12日の法案採決は見送りになったと聞いて安堵したが、そのままだまっていてはいけないと思い記事にした次第である。

「いやなら日本に来なければいい」「日本がいやなら出ていけばいい」という声を聞くと胸が潰れる思いがする。自分自身の意思と財力で、住むところを自由に選ぶことができるような、幸せな人がそんなに多いとは考えにくい。どうしようもない事情を個々に抱えて、外国人も日本人も生きているものだ。自分のものさしだけで考えずに、人の苦しみを想像すべきだ。そして、日本がよくあるために必要なら声を上げるべきだ。自浄作用のない社会に未来は無い。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?