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舞台版四月馬鹿達の宴と、リメイクライブアライブについての感想
舞台版四月馬鹿達の宴 ネタバレ薄め感想
舞台版四月馬鹿達の宴のブルーレイディスクが届いたので観ました。良かったです。
異常に天使子とチキンヘッドの扱いが良く(原作の記憶忘却してるけどこんなに扱いよくなかったよね!?)、村田版ワンパンマンでスネックが蛇形拳の使い手としてアレンジされていたときに覚えた感動を思い出しました。なんで四月馬鹿達の宴を観てワンパンマンの話をするのか。
長編RPGを舞台化するにあたって表現手法や尺に合わせるために当然ながら再解釈を強いられることになるのですが、本作は原作にない要素が違和感なく補完されていてすごかった。これは原作理解度が高くないと無理です。ていうか原作は結構プレイヤー突き放し気味でわかりにくい話だと思ってたんですが、説明不足だった部分がうまいこと補完されててあっ!こういう話だったんだ~!って気づけてよかった。これは私が原作と真面目に向き合っていなかっただけかもしれませんが……
原作をなぞるだけではなくて、より良い作品にしてやるぜ!という野心を感じられてよかった。
原作はかなり芝居がかったセリフ回しが多いのが特徴なんですが、表現を大仰にすることが求められる演劇という表現形態との相性も良かったと思います。このストーリーを現実の人間が演じる、というのもなかなか味わい深いところがある。同劇団がやってた舞台版魔王物語物語は観れてないけどアレも現実の人間が演ずるのに意味がありすぎるよね。
BGMと効果音がほとんど原作準拠で、同封のフライヤーのクレジットに思いっきりSILDRA COMPANYとか書いてあるのがかなり面白かった。
唯一複雑な表情になってしまったのは忘却王立劇団が原作イラストで済まされてしまった(ここもビジュアルを再解釈してほしかった!)ところなんですがそもそも忘却王立劇団を詰め込むというのが相当な無茶なので失点としてはカウントしてません。全員ババーンって出てきたところはテンション上がったしな……
ライブアライブリメイク感想(今更)
今更ですがだいぶ前にLALリメイクをクリアしました。なぜ今感想を書くのか、というと上述の舞台版四月馬鹿達の宴に触れたことで、評価保留になっていたこのゲームに対して急に自分なりの答えが出たからです(これは片方の作品を下げてもう片方を上げようとかそういう意図の記事ではありませんが、そう見えてしまったらすいません)。
データ的に弱すぎた一部のキャラ(っていうかアキラ。アキラは主人公っぽいキャラデザインだったので余計に悲惨だったよね)が救済されたり、敵の耐性や装備の耐性アップが可視化されてかなり遊びやすく現代ナイズドされてたのと、HD-2Dの良さを活かして原作のビジュアルの良さをさらに発展させた印象的な画作りをしてたりして全体的に良かったです。
インターネット論壇はどうなってるのかまったく認知していないんですが、ラストの改変はおそらく多分賛否両論だったのではないかと思います。30年越しにリメイクが出るならその間ずっと苦しんでいただろうプレイヤーに、ああいった形で公式から“答え”を示すのはやはり救いなんだけど、勝手に救うんじゃねえ! みたいな反発もあります。なかなか良いとか悪いとか一概には言いづらい。
評価に相当悩んだ(自分の中で白黒つけたほうがスッキリするだけで、別に審査員をやっているわけでもないいちユーザーにすぎないのだから、評価を下す必要はない)のですが、ラストの改変そのものが良かった悪かったというよりは、“ストーリー的な変更がラストのアレだけだった”、というところが不満だったかなあ~と思います。完成度の高い作品ということもあり、おそらくスタッフもストーリー変更については相当慎重に考えていたはずで、だからこそラストのアレだけになったと思うんですが、私の目には原作と調和の取れない、とってつけたような救済として映ってしまいました。じゃあどうすればよかったの? というと難しいのですが…… このあたりは原作プレイヤーのディスアドでありアドバンテージでもあるのですが……多分原作知らないほうが素直に喜べたのかも。各編のボスってそれほど憎悪(オディオ)の存在ではないのにひっくるめてオディオにされちゃってない? オルステッドの自他境界弱くなってない? みたいな違和感とか、急に狂ったストレイボウには何があったのかとか、中世編の魔王真実とか、どうせストーリー改変するならリメイクでこの辺の掘り下げほしかったなあ~とは思うんですが、私がリメイクに対する期待が高すぎるだけなのかもしれません。
蛇足に感じないリメイクでの追加・変更要素って相当難しいし、ラストをああしたリメイクスタッフの気概(エゴ)は大いに買いたいんだけどやっぱそれはそれ、これはこれだよな~と思う。
二次創作のリスペクトの軽重について
舞台版四月馬鹿達の宴の話に戻るんですが、アレがなぜよかったのか、というと、表現形態ごと換骨奪胎したから、というのが大きくて、なかなかそういう真似はできないよ~となってしまう。リスペクトの有無とは別として。
二次創作やメディアミックス、リメイク作品は得てしてリスペクトの軽重で良し悪しを語られがちですが、オリジナルをより良くしようという野心やエゴのようなものがないと面白くならんよなあと思います。それもひっくるめてリスペクトと解釈できるかもですが。リスペクトがあったね~なかったね~で思考停止することは避けたいのでもう少し解像度を高めたいのですが、リスペクトの定義ってゲーム性の定義ぐらい難しいのかも。愛って形にはできないからね。先の二作品でいうとリメイクとしては四月馬鹿達の宴のほうが私の満足度が高かったんですが、じゃあLALリメイクはリスペクトが足りなかったのか、と言われると全然そんなことはないしね~ それぞれいい作品だと思います。ほんとに。
なんなら悪のメディアミックス作品としての地位を完全に確立してしまったユアストもリスペクトだけで言えばかなりあると思う。そろそろ皆さんはあの作品のことを許せそうですか? 私は未だに許せずに、制作スタッフでもなんでもないのにどうすればよかったのかという反省会を時々脳内で開いてしまいます。あとマリオ映画も。自分が気に食わなかった映画について時々思い出して人生を無駄にするのはやめよう! 天使子も忘れるのが普通だって言ってるよ!
遊びたいリメイク作品
LALリメイクの良さでマスクデータ明かされて遊びやすくなった、というところを語ったんですが、伝え聞くに評価が高いリベサガも多分そういう良さがあるのだと思います。ライブラリには存在しているのでそのうち遊びます。
DQ3が心のゲームなのでHD-2DリメイクDQ3もまあまあ遊びたいのですが、スクリーンショットやPVで確認できる画面レイアウトに不安しかないのと、複数回行動してくる敵の行動パターンが雑なツクールRPGみたいな感じになってるみたいな話を聞いて尻込みしてます。多分遊べば面白いとは思うんですが……
一番遊びたいSFCRPGリメイクはバハムートラグーンです。まだ?
(おわり)