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修行ネコ★⑮三カ月後の二つ目の試練


早く仲良くならねば!な理由


さて、成猫保護猫ハルさんですが、二か月が過ぎ、そろそろ三か月という頃、二つ目の試練を迎えます。(ちなみに一つ目の試練は↓こちら)


ちょっとこの家の勝手にも慣れてきたころ、

そして私の前に現れるという頻度が増えたころ、

又毛づくろいものびのびとするようになったころであります。

私ははたと気づき、焦り出します。


そう、


爪を切らねばならない。


爪を切るということは、

当然ながら、

ハルたんを抱えてですね、お手手をとり、

はいはい、大丈夫だからね~、とかなんとか言って、

ぱっちんぱっちんとやらねばならないということを指しますよね。

ビビリ猫なため、できるだけ病院には連れて行かずに私が切ってあげたい、と思ったのですが、

そう、まず捕まえる、ということをしないといけないわけですよね。


野性を舐めている無謀な攻防


基本的には近づくことがまず許されていないため、成猫のハルちゃんがリラックスしている時や、寝ている時を狙って

バスタオルを持って近づいたり、大きな洗濯ネットを持って近づいたりするわけなのですが、

やはり、さすが!

ビビリ&野性ネコ

危険察知能力が振り切れまくりで

素晴らしすぎて、


全く箸にも棒にも掛からぬわけです。


せめて短時間で爪切りを終わらせてあげたいわ、ということで

切れ味のよさそうな斬、という名前の爪切りをゲットしたものの、

(どうやらハズレの偽物も出回ってるようなので早く確認したかったのですが)

返品OK期間もとっくにすぎたまま、性能の良さを確認することもできず。

又「遅くても三か月後には」と言われていた三か月が近づいてくるわけです。そして何なら過ぎてゆくわけです。

一度捕まえ方を保護猫女主人に相談するも、「それならもう少し仲良くなってからですね」と言われたのをいいことに、様子を見ていたのですが、

時間は刻々と過ぎてゆきます。


こんなことも、あんなことも、という恐怖


猫は音もなく歩くので側に来ても気づかない、と言われたりしますが、

ウチのハルたんは、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ、と毎日爪の音をさせて歩いています。

その爪音を聞きながら、

爪を切らないと伸びてきた爪が肉球に食い込んだりするんです、という保護猫女主人の言葉を思い出して焦ります。

更にググってみても、

関係性がついていない・大きくなった成猫の爪を切るために近づく/捕獲する方法というのは全く紹介されておらず、

爪を切らないと、赤く見える神経もどんどん伸びてきてそこは切ってはいけないので、切るべき爪がなくなってきて切れなくなってしまうとかどうとか。

この文章を見た時にだいぶんパニックになりました。


ええ~~~~。

もう、ワシみたいにどんどん爪が伸びていったらどうしよう~~~~。

いや、その前に肉球に食い込んでいくんや~~~。


焦れば焦るほど、

ハルはもう疑いの目で、

何かされそうだ、ということは、

完全にばれています。

全くつかまりません。


いや~どないしよう~~~。

誰かに頼んだ方がいいかなぁ~。

もう、捕まえて、爪切りは病院に任せようかな、

などと思いつつ、三カ月が過ぎ、四カ月が・・・


私の焦りとは裏腹に

ハルはのんきに自分の爪を噛み切ってメンテナンスをしているのでした。

そしてたまにダッシュしたときには、床に鳥のような鋭利な爪の先が落ちてたりしていました。


悟りタイムはいつも突然に


焦りと不毛な追いかけっこの疲れが、もう最高潮に来た時、


ふっと力が抜けて



悟りの瞬間が(開き直りの?)


訪れました。



爪の奥の神経が?

伸びていくから早く切らんとあかん?

その神経がどこまでも伸びていくわけ、


ないやん。


そう、

そういえばハルはずっと自分で爪をメンテナンスしている。


ハルに更なるトラウマを作らずに、慣れてもらうこと、仲良くなるということを優先しよう。


そう心に決めて、

ハルの周りをトラップだらけにするのは諦め、

又普段のやや平穏な日々に戻ったのでした。




そして一年後、


「うちの猫も爪切ったことないよ、勝手に爪が割れるからね」というお話を友人から聞き、

なぁんだ、

やっぱり現実は本やネット情報とは違う、ほんとに色々なんだなぁ、と思ったのでした。


ただもちろん爪を切ってあげることができるにこしたことはありません。

爪を出してネコパンチされると確実に流血しますし、

カーテンに引っかかって慌てて流血する可能性もあります。

遊ぶにしても、爪がおもちゃに引っかかったりするので、

色々大変です。

爪を切らないなんてとんでもない、と怒る人もいると思います。

ただ

今の大事な時期に余計な負荷をかけて新たなトラウマをハルに作るということをなるべく避けていきたい。

というギリギリの選択で、

もう少し気長に、

でもいつかそれなりに心を許してもらえるまで、

待とう。

と決めたのでした。


レースのカーテンに引っかかって慌ててる時は、私が近づくことでパニクってけがをしないように、わざと知らん顔をしています。

たまに、身振り手振りもつけながら

「あんたいっぱい爪伸びてるんやからね、ちゃんとガリガリやらんかったら、もう爪パッチンパッチンするよ~!

イヤやったらちゃんとガリガリやらんとあかんで~~~!」

と言ったら慌ててガリガリやるようになりました。


たまに天才児になるのか、伝わっておるのです・・・・



二つ目のこの試練は、

まあ、なんと言うか、ハルの協力を得て、

決着を付けました。


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