妊娠の可能性を将来に残すということ
30代後半で、結婚を望む独身女性の一番の天敵は、"妊娠できる可能性" というやつではないだろうか。
晩婚化により、第一子出産時の年齢は当たり前のように30代になった。
また芸能人のニュースの影響なのか、40代でも出産できるというイメージも昔より多く持たれていると思う。
しかし現実はそんなに甘くはない。
私の友人を見ても、ちょうど半分くらいが不妊治療によって子どもを授かっていて、その多くは35歳前後のときだった。
友人の中には、29歳から2年間、いくつかの病院を渡り歩いて不妊治療をし、31歳でようやく授かった人もいれば、45歳で第二子を自然妊娠した人もいる(本人が一番びっくりしていた)。
友人からいろいろな話を聞くにつけ、妊娠ほど「神のみぞ知る」というものはないのではないだろうか。
40歳でも20代のようにきれいな肌の人はいる。
50歳でも30代のようなスタイルを維持している人もいる。
しかし、年齢というナンバーがもたらす影響から逃げられないもの、それが妊娠だと思う。
1981年生まれの私は現在独身なのだが、例にもれず、心の中でこの天敵と闘っている。
私の性格的に、好きな人ができればつきあいたいと思うし、つきあっていれば結婚したいと思うし、結婚したらその人との子どもがほしいと思う、と思うのだ(実際、結婚した当初は子どもがほしいと思っていた)。
今は好きな人がいないから、子どもがほしいとは思わないけれど、友人の中には、夫よりも「子どもがほしいから結婚したい」と言う人も少なくない。
だから一生懸命婚活をしているわけだが、これがまた想像以上にうまくいかない。
今の年齢まで自分が積み重ねてきたもの、同様に相手が積み重ねてきたものは、20代のそれとは違って量が多い。
どうしたって、凸と凹がうまくはまる確率は低くなってしまう。
これが、年齢を重ねてからの結婚が難しいと言われる所以ではないだろうか。
下記の記事によると、年代別の結婚率(初婚)は
◆35~39歳 男性13.11%・女性10.89%
◆40~44歳 男性5.28%・女性3.25%
39歳の婚活事情: https://kekkon.kuraveil.jp/age-gender/30_11
・・・目を覆いたくなるような数字だ。
でもこれが現実。
私は初婚ではないとはいえ、この10%の中に入るべく、婚活に勤しんでいる。
私の主な婚活ツールは、これまた例にもれずマッチングアプリなのだが、ここにも私の天敵が時々現れる。
ある男性(36歳)のプロフィールにこう書いてあった。
「絶対に子どもは2人以上ほしいので、34歳以下の方でお願いします」
ちーん。
アプリは残酷だ。現実を思い知らされる。
でも、自分の現在地を知ることはとても大切で、それを知らないと、いつまでも過去の栄光にしがみつく痛いアラフォーになってしまう。
どこの誰かは存じませぬが、正直な気持ちを言葉にしてくれてありがとう。
3年前にアプリを始めたとき、私は自分が離婚しているので、離婚歴のある人もよいと思っていたが、子どもがいる人は検索条件から外していた。
それは、自分に子どもがいないから、子どもがいる人の生活を慮ることが難しいと思ったからだ。
時間の使い方や子どもへの思いもそうだし、もしつきあって私と結婚することになった場合、彼にはもうひとつ家庭があるということを、後々自分がどう感じるかがわからない。
だが最近、子どもがいる人も検索条件に入れるようになった。
この3年の間に私は39歳になり、もしめでたくパートナーにめぐりあえて結婚に至ったとしても、妊娠できるかどうかはわからないと思うようになったからだ。
相手が子どもを望まない人ならまだいい。自分の気持ちだけの問題だから。
でも望む人だった場合、そして私の年齢が理由で妊娠できない場合、夫婦関係にわだかまりが残るんじゃないだろうか。
男性にとって、子どもを授かるというのは妻にしかできないことだ。
自分を妻として選んでくれた人にそれを叶えてあげられないなんて…負い目以外の何物でもない。
そんな気持ちを、久しぶりに会った女友だち(離婚歴あり、現在既婚、子どもあり)に話すと、彼女はこう言った。
「未琴さ、卵子、凍結してる?」
思わず時間が止まった。
自分の卵子を凍結しておくということ。
冗談めかして友人に話したことはあるが、身近でやっている人もいないし、とてもだいそれたことのような気がして、現実的に考えたことがなかった。
そんな特殊だと思っていたことを、仲のいい友人からごく自然に聞かれて、すごく驚いたのだ。
「やっておきなよ。自分は妊娠できないかもって弱気で婚活して、それってうまくいく? 卵子をとっておけば、もっと自信もって婚活できるんじゃない?」
ポロポロポロ。
本当に目から鱗が落ちた。
まったくもって彼女の言うことは正しい。その通りだ。
もし将来的に再婚したとき、「私、卵子を凍結してあるの」と言ったら、相手はどう思うだろう。絶対引くよね。
そんな思いもあった私。
でも私がここまでに並び立てたすべてのことは、全部タラレバの話なのだ。
もし結婚したら、もし子どもができなかったら、もし相手が引いたら・・・。
でも彼女が私に言ったのは、" 今の自分 " に自信をもつための方法だった。
自分のことをよく理解してくれている友人が、これほどありがたいと思ったことはない。
私は昔から、人に迷惑をかけたくないという思いが強く、何かあるとすぐ自分に原因があるんじゃないかと思ってしまい、自分に自信をもつことが苦手だった。
そんな内省的な私が婚活に苦戦している原因を、私の心持ちだと見抜き、私にとっては画期的だと思える方法で、私に自信をつけさせる手段を提案してくれた友人。神か。
そうして私は、神のお告げにより卵子を凍結することを決めた。
未受精卵の凍結だ。
もし30代後半で、将来的に子どもを望む方がいたら、今後アップしていくレポートを参考にしてもらえたらと思う。
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