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Hang in there
あなたへのオススメで表示された本の題名が「わたしをふみつけて」で、ぎょっとして2度見したら「わたしをみつけて」だった。おかしいのは私の目なのか、頭なのか・・・。
読者のみなさんに向けてのHang in thereという一言が、自分にかけられたように感じる、今日この頃。もう、腕もぷるぷる震えちゃって、手は今にも力が抜けて開いてしまいそうだけど、なんとかかんとかぶら下がっている。そんな自分に、もう少しそのまま頑張ってー、ということで”Hang in there”
一息つこうとか、気楽にいこうとか、言ってられない、頑張るしかないんだよーというあなたに、現状維持を後押しする励ましの言葉。休むのが苦手な人や、なんでも真面目に受け止めてしまう人にとって、もう少し頑張れ!は、案外心地のいい声かけかではないだろうか。
私もとりあえず、忙しい日常から脱落しないように持ちこたえているが、そんなに無理するなと言われると、力が削がれたり、頑張っていることを否定された気がしたりするので、それよりは、頑張ってるね!と現状を肯定される方が良いような気がする。
職業上、色々な悩みや困難を抱えて、前にも後ろにも進めないで困ってしまっている人に出会うことが時々ある。そういうとき、
「今は解決できなくてもいいから、ここはなんとか耐えよう、私も一緒に考えるから」
と声をかけることがある。ぶら下がっていると言うよりは、しゃがんで膝を抱えてじっとしているイメージだ。動き出すための元気がたまるまで、あるいは重たい荷物を手放して、軽くなるときまで、時間が流れるのを待ってみよう。それまで私も横で付き合うからさ、と。
Hang in thereには、そのまま頑張れ、というだけでなく、助けに行くからそれまで持ちこたえて、みたいな響きもある。それか、私もここで頑張ってるから、一緒に頑張ろう、みたいな横並びの励まし。決して、ひとりで頑張れ、ではない。
それは、このコラムを読んでくれるみなさんにも、みこと心理臨床処を訪れてくれるみなさんにも、伝えたいメッセージだ。
我々カウンセラーは、クライアントさんの代わりに、問題を解決してあげることは出来ないし、答えを知っているわけでもない。ただ、混乱しているものを整理したり、問題を引き起こしている習慣に気づいたり、実力の発揮を妨げている思考の癖を見つけたりするだけで、実際の行動を変えて、環境を変えていくのはクライアントさん自身だ。
でも、そういう行動や環境の変化は、なかなかひとりでは起こせない。隣で見ていて、あなたにはこういう癖があるみたいだから、次はこうしてみてとアドバイスしたり、繰り返し練習しても出来なくて悲しいときに、もう少し頑張ってみようよ、と励ましたりする人がいるから、変わっていくことが出来る。
だから、今週も頑張っているあなたに、みこと心理臨床処からのエール。
毎日お疲れさま。大変なことも、やる気が出ないこともあるのに、頑張ってるよね。
みんなそれぞれ大変で、カッコ悪いこと、うまく行かないこと、笑うしかないみたいなこともあって、それでもなんとか持ちこたえている。
だからあなたも、Hang in there.
(M.C)