夢中になる子供

私の娘は今小6で、小学生のうちに2回転校している。GWに、以前居た同じ県内の仲良しだった子のお母さんが誘ってくれて、お互いが住んでいる場所から真ん中辺りの公園に集合し、遊ぶ事にした。ふれあい動物園があり、その子も娘も小動物が好きでハムスターやヒヨコを撫でたりするのを楽しみにしていたが、集合してすぐに雨が降って来てしまい、近くのショッピングモールに移動した。

雑貨屋さんを見たり座ってお茶を飲んだりして、お互いに今どんな生活をしているかの話をした。

その子は優しくて学校の勉強もよく出来て、走るのも速い。次は何して遊ぼうか?という事になると「〇〇ちゃん(娘)のやりたい事にしよう」と言うのだ。言われた娘の方も、その子のやりたい事にしようと言ってお互い譲りあっている。

最近は何してる時が楽しい?と私がその子に聞くと、塾に通っていて、テストが採点されて戻ってきて、沢山丸があると楽しいと言っていた。

娘は、「えぇ?!休み明けに全国一斉テストみたいのがあって、私はめんどくさいよー!」と言っているが、その子は「1日ずっとテストで終わるなんてクイズ大会みたいで楽しいよー!」と笑っている。

娘は習い事に何をしているか聞かれて、「今は何も習い事してないんだ。最近は、学校の係の仕事でイラスト係になって、リクエストのあったアニメとかのキャラを毎日調べて描いてるんだ!こないだリクエストが来たのは呪術廻戦の五条先生でしょー、暗殺教室の殺せんせーでしょー、スーパーサイヤ人化した悟空でしょー、地縛少年花子くんでしょー、進撃の巨人のリヴァイ兵長でしょー、本当は私すとぷりが好きだから、莉犬くんをいっぱい描きたいんだけど、莉犬くんでしょー…」と早口で話しだした。

分かった、分かった、オタ気質が出ちゃってますよ。と小声で私が言うと、友達の子がポカーンとしている。

そうして、娘は、学校でクラスの子に「お母さん」と呼ばれたり、「〇〇(娘の名前)先生」と呼ばれたりしている話をした。本人は別に嫌ではないらしい。5年生の時の担任の先生の影響だという。

例えば算数の時間に問題があったとして、通常は、先生が出席番号順とか日付に関連して生徒を当てたりするが、その先生は、まずその問題が分かる人に挙手をさせて、発表させたり、黒板に記述したりして、正解した人を「先生」にするのだそうだ。そして、周囲にいるまだ理解出来ていない子に、小さな先生が教えてあげる。すると周囲の子は理解出来るし、小さな先生の方も自分が理解していないと人に教える事は難しいという事が分かるので、ますます知ろうとする。

小5になってから娘はクラス1番の成績ですよと先生に言われて驚いたのだが、この担任の先生のこの小さい先生作戦は楽しく勉強できてすごいと思った。娘の友達も、聞けば塾の先生の教え方が上手で、塾に行くのが楽しいという。

姪っ子が3歳位の時に近所の公園に連れて行くと、ずーっとずーっと砂場で山を作ったり、トンネルを掘って水を流したりして黙々と遊んでいた。私の娘は小さい頃はターザンロープのような遊具に何度も何度も乗っていた。階段の上からゴムのボールを20個位転がせるだけ転がして、集めてまた落として…と繰り返すのも好きだった。

子供の頃はそれぞれ好きな遊具とか好きな遊びがあって、その瞬間楽しいと思う事を夢中で楽しんでいたっけ。別に大人になっても、ギターを弾きたい人はギターを好きなだけ弾けばいいし、長い布をミシンでズタズタダーっと縫うのが好きな私みたいな人は、好きなだけ縫えばいいし、音楽を聴くのが好きな人は好きなだけ聴けばいいし、モフモフ動物さんが好きな人は好きなだけモフモフ動物さんを愛でればいいし、散歩が好きな人は好きなだけお散歩すればいい。

それがきっと地球に生まれた理由なんじゃないかと気がついた話。

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