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我慢している人は

娘が宿題をしているのを見ていて思った事がある。

毎日漢字ドリルの内容を練習帳に繰り返し書いて覚えてテストをしているようだが、漢字帳にどんな漢字が書いてあるのかパラパラと見てみると、赤いペンで沢山直されている。間違っているのかとよく見てみると、間違っていない。「もう少しはねる」とか「きちんと止める」とか「丁寧に!」と書いてある。

個人的に、旦那は珍しい苗字だったので、名前の読み間違いや書き間違いをされる事はしょっちゅうだった事と、秘書学の先生が口を酸っぱくして「人名や会社名、㈱〇〇なのか、〇〇株式会社なのか間違えないように」と言っていた事があり、細かい部分だけど、私は、誰かの名前は間違えないようにしようという気持ちがあった。

しかし、こう毎日毎日間違えてもいない漢字を正されては娘もヤル気を無くして、「どうせまた真っ赤なノートが帰って来るんだからもういいや」と開き直り、殴り書きのように素早く宿題を終わらせた。そうして娘はイラスト係の仕事のイラストを描きはじめながらこう言った。「同じ係の〇〇ちゃんと〇〇ちゃんは全然描いて来ないんだよ。私だけ沢山リクエスト受けてるの。」

そんな時、私はちょうど『我慢している人は我慢を他人に要求する』という事が書いてある本を読んでいた。

学校の先生も、もしかしたら子供の頃同じようにお手本のようにキレイに書く事を強要されたのかも。そして娘も、自分1人に負担が来る事を引き受けて大変なのに我慢している。我慢しながら他の子を悪者にしようとしている。これは危ない、危ない。

「明日、『リクエストが〇枚来ていて、私一人で大変だからリクエストをストップしたい』って帰りの会とかで言ってもいいか、他の子に聞いてみて、他の子が手伝ってくれる様子もなくて他の子達がOKしてくれたら、リクエストをストップしますってクラス全員に言ったらどう?」

と言ってみた。すると翌日娘は係の他の子に聞き、みんな手一杯だし、帰りの会でリクエストをストップする事に決定したらしい。

よく、会社の先輩が『私が新人の頃は~』とかで始まり、昔はこんなに大変だったのよ、今はラクになったんだから頑張りなさいよねーというお説教が始まってたなぁ…と思い出す。私は我慢してやってきたのだからあんたも我慢しなさいよと言いたいのだろうが、自分の苦労を他人にも強要するなんて、どれだけ他人からエネルギーを奪うのだ!

愛ある人は、我慢を強要するどころか、その人が楽しく幸せになるような方法を考えたりするんじゃないのかなぁと思った話。(自分に愛がたっぷりあるとは言えないけどね)

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