ひぃふーみぃよーけぃ 1🍓
"はじめまして"
じゃないのに、はじめましてではじまった。
好きな歌もお酒も、何とか自粛している日々。
でも、歌は我慢できなくて1人空間に没頭する。
アプリを開く。
好きな音楽を聴く、歌う。
そんな毎日だけど、悪くないけど、何だろう。
仕事の休憩中、ふと知り合いからメール。
"仕事中にすみません。近くまで来ていて、もし良かったら少し会えませんか?"
落ち込んでいるのは知ってた。
話すくらいなら最近のアプリを駆使して聞けばいい。
でも、何となくそれでは駄目な気がして…
"待たせても大丈夫なら、ここでどうですか?"
となり町の道の駅の駐車場に待ち合わせ。
速攻向かう、20分くらい先の大通り。
信号待ちで、何してんだよって
誰かが言ったけど、そんな聞く耳持たず。
多分これだろうなって、
落ち込んでいる原因はこれだろうって直感。
慰めにでも行くつもりなのか私は。
違う、
顔も知らないその人がとても心配だった。
会ってみたいなんて大そうな好奇心までぶら下げて。
ただそれだけだった。
それだけだったなんて、無神経。
期待している、
自分の黒い何かが絶対あって
傲慢な思いだけ募らせて
ただそれだけだった?
駐車場に着いて、見渡してみる。
独身男性って、全く想像できてなかった。
実家暮らし、
お金ない、
彼女もいない、
ゲーム好き、
なんて、ありきたりな事ばかり。
いい車に乗ってる、全く想像できなかった。
"はじめまして"
ああ、ここから
はじめてしまった。
2へ続く