にっくき重力

万有引力が発見されて長い。月を背景にリンゴの落ちるのを見て悟ったというのは、作り話らしいけれども。

重力の存在を明らかにしたという点で偉大な発見だ。それまでの人類は、自分が地球に吸い寄せられてるとは思わなかった。

いや、祖先だけではない。現代科学を学んだ我々でさえ、生活の中で重力をいちいち認識することはない。



最近39℃の熱が出た。20時ごろから寒気がし、筋肉が震え出し、悪寒に変わった。

コタツに縮こまって温まったあと、ベッドまで這って行って休んだ。全身プルプル震えていた。

全身の関節が痛い。それに尾てい骨の痛みが最も苦しい。私は昔から長時間立っていると腰がジンジン痛み出す。


悪寒が止まないので、ベッドで毛布にくるまって、ただ横になっている。

ただ横になっているだけなのに、腰が猛烈に痛い。どんな体勢でも痛い。右に左に寝返りをうっても、全くマシにならない。


地獄とはこんな状況だと思う。発熱による慢性的な痛み、私がこの世で最も嫌いな時間。いつ良くなるか全くわからない痛みを、ただ耐えていなければならない時間が最も辛い。

ここで私は痛みの原因になっている力にやっと気づいた。重力、彼は無限の力である。死んでもなお解放されることはない。

症状は何時間後に楽になるかわからない。苦痛な時間は無限に続くと思われる。

結局4.5時間苦しんだ後に気絶した。目が覚めると汗びっしょりで、痛みも引いていた。



柔らかいベッドの上で、重力の偉大な力を「実感」し、畏敬したというお話。

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