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ゼロ血兄弟の相続分について検討してみた #11
民法 第900条 兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。ただし、半血兄弟は全血兄弟の2分の1となる
兄弟姉妹の相続分が発生する時とはどういう時か
それは、血族相続人の第1順位者である子がいない、そして、第2順位者の直系尊属(親や祖父母など)もいない、時に初めて発生する
※ちなみに、配偶者は常に相続人
半血?全血?どういうこと??
このような話の時に引っぱり出してくるお決まりの親族相関図(架空の人物を作りだすフィクション仕立ての時もあるし、自分の親族を例にだしてノンフィクションドキュメンタリー風にするときもあるし、その2つをドッキングすることもある)を必死に示しながら、師匠と何とかディスカッションしていた
半血兄弟とは、片方の親だけが同じ兄弟姉妹のことをいう
例えば、親が前配偶者との間に生まれた子供を連れて再婚し、その後、新しい配偶者との間に子供が生まれた場合は、その子供同士は半血兄弟となる
全血兄弟とは、双方の親が同じ兄弟姉妹のことをいう
これはごくごく一般的な兄弟
親が片方しか同じではない兄弟がいる場合(いわゆる異母兄弟とか)、両方の親が同じである、ごくごく一般的な兄弟の相続分の半分しか相続できないということなのである
最初は腑に落ちなかったが、仕組みを理解すると、なるほど、確かに民法900条様の仰るとおりかもしれないと思っていた矢先だった
師匠が言った
「ゼロ血兄弟だってあるだろ?それについてはどうなってるんだ??」
…ゼロ血?……!ぁあゼロ血兄弟…!!
ゼロ血兄弟とは、親が両方とも子連れ再婚同士なために兄弟になった、いわゆる血のつながりのない兄弟のことだ(師匠が決めた)
今の時代は、ステップファミリー、といわれる子連れ再婚家庭などの、新しい家族の形が存在する
しかし、民法の規定というのは、古めかしい(明治29年発)ものが多いために、時代の流行りについていけてないことが多々あり、学習中もしょっちゅうモヤる(最近は民法大改正があったけれども)
さて、民法に定めのないゼロ血兄弟の相続
同じ家族として暮らしていたにも関わらず、兄弟姉妹としての相続分は、ゼロであるということになる
ああそうだ!!(ひらめき)それぞれの親と養子縁組すれば!←これは、親の相続の時には有効だが、兄弟姉妹の相続の時には関係ないのでずれている
ゼロ血兄弟同士が養子縁組する??(もう少し食い下がる)スマートではない
認知??なに???(全く無関係)
私の浅はかな提案がことごとく却下されていく
どうがんばってあがいても、法律的にも生物学的にも兄弟になり得ないのである
ゼロ血兄弟は、ゼロ血なのだから、相続分がゼロなのは当たり前なのか…?
でも、一緒に暮らしていたんだよね?!と、勝手に感情移入してみたり
待って、血がつながっていても、心がつながってない兄弟は??血のつながりだけで相続分を決めるのはおかしいのでは???、と、いつものように思考が止まらない(そのために贈与や遺言書というものがある)
このように、古めかしい民法の規定が時々見せる不具合(規定時の想定外)が楽しくて仕方ないのである
(そして、その不具合を調整するための決まりが一応用意されていることに気が付くこともまたおもしろかったりする)
結論、ゼロ血兄弟の法定相続分はゼロ
ただし、何らかの形で相続させることは可能(探求は続く)
※ヘッダー画像は、みんなのフォトギャラリーより、クリエイターnojimadesu様の「cats」です
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