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蟻鱒鳶ルに魅了されて

先日、家族3人で蟻鱒鳶ルの実物を拝みに
東京都港区の田町(三田)に行きました。

とにかく早く、実物を見て
自分が何を感じるか、知りたくて。
今この瞬間の、蟻鱒鳶ルを見たくて。

夫とは結婚して2年。
初めて、行きたいデート先が2人で合致した。
お互いに、こんなに衝動に駆られる場所
無いよね?と一致団結。

蟻鱒鳶ルの存在を知ったのは、見に行く3日前のこと。

いつものように、夫とグデ〜っとYouTubeを見ていたら、下記の動画がおすすめに出てきた。

ん??
三田???

田町駅

興味津々で動画を再生。

あの大都会の三田で、こんな事ができる訳がない。きっと、日本のどこかの田舎にある三田という地の事だろう、と鼻で笑っていたのも束の間。

マジの港区の三田でした。

瞬きを忘れ
開いた口が塞がらぬまま
建築士の岡啓輔さん自身による
蟻鱒鳶ルの建設秘話を聞く。

とんでもなくスゴい人がまだ60歳くらいでこの世でまだ生きていることと、とんでもなくクールな個人宅が、幼き頃から所縁ある三田にあった事に
一家騒然となる。

最近の姿を撮影した個人の動画があったので、50型テレビでくまなく鑑賞する。


ひとめ見た瞬間に、脳がバグる。

ほとんどが無機物で出来ているはずなのに、
有機的で今にも動き出しそうな怪獣のように
ゾッとする怖さを感じる
とてもヤバい見た目のクールすぎる
「蟻鱒鳶ル」

まるでビルのデザインを引き立たせる為かの様に
周りのマンションはすっかりと立ち退き
真後ろにそびえ立つ巨大なオフィスビルと
広けた空との対比で、さらに頭の中がわけわからん事になる。

「蟻鱒鳶ル」の字面も、まるで機種依存文字が文字化けしたようなデザイン。

もう、センスが。

センスが。

大好き!!!!

しかも
私の好きな漫画家、新井英樹に岡啓輔さん自身で依頼して
1冊、単行本までこの世に出版してるなんて
どこまで私を惚れさせるつもりなのか!?!?

デザインだけでも心が狂ってしまっているのに

作業性や効率は一切抜きにして
とにかく強いコンクリートにこだわり抜き、推定耐用年数は200年とのこと。
3.11ではヒビ一つ入らなかったそう。

火災では無くならないだろうし、
津波も耐えそう。
ドロドロの溶岩が流れてきて
コンクリと鉄筋が溶けたり
隕石が直撃しない限り
存在が無くなる事は、無いのではないか。と
最強の存在であると勝手に妄想してワクワクして興奮がとまらない。

とにかく、いち早く、蟻鱒鳶ルを見ないといけない!!!

夫婦は0歳児を抱きかかえて京浜東北線に飛び乗り、田町に向かった。

あっという間に蟻鱒鳶ルに着いた。

本当にあった。

明らかにそこだけ時空の歪んでいる
蟻鱒鳶ル
ちょっと緊張するので離れて見てみる

見物人が途切れることなく、撮影されている人も多くいて
接写できなかったのだが

実物を見て感じたのはとっても美しいという事。

怖いもの見たさで訪れたのに、ただただ美しさに見惚れてた。不思議な気持ちになる。

動画で見て、得ていた感情とはまるで違かった。

ウギャー!怖ーーっ!スゴーーー!!ってなりにきたのに(迷惑だし失礼)

神秘的な、神殿のような美しさ。

上から見ると
やっぱり生物的なものを彷彿させる形
これも何かの意味があるのかな?
個人的には妊娠2ヶ月目くらいの胎児のようにも見えるし、足の裏にも見える


夜の蟻鱒鳶ルも見たいので、散歩して時間を潰す事にした。
フリーメイソンのロッジを見たい夫と
霊友会の釈迦殿を眺めたい私でまた意見が一致し
蟻鱒鳶ルから東京タワー付近まで歩くことに。


首都高速の乗り口の一部が川の上に浮いていて
蟻鱒鳶ル感あるな、と一瞬思う。
霊友会の釈迦殿。
幼少期、この施設がパッと目に入った瞬間に異常なデカさと存在感と異様さに「ゾクゾクッ」と背筋が凍り、この感覚を快感と知る。
ぐにゃりと溶けているように見える、麻布台ヒルズのガーデンプラザ

ようやく日が落ちた

中には誰もおらず、真っ暗で不気味な雰囲気が漂う

夜の蟻鱒鳶ルも、やっぱり美しい。

靄がかるやわらかい月光と対照的にごつごつしてとても硬そうな蟻鱒鳶ル

町の灯りに照らされて、ごつごつしたボディと装飾部に影がつき、さらに魅力が増している。
中に誰もいないのか、灯りはついておらず
無人のビルの不気味さが出ている。

ひとしきり蟻鱒鳶ルを堪能したあと、駅周辺を散策したが、巨大なビルだらけで眩暈がするほどだった。

こんな立地で、あの巨大なビルを作りあげるとは、一体どれほどの思いとパワーが必要なのか、つい考えてしまう。本当にすごい。

私は芸術だとかアートだとか美術には疎いのだが、こんなに芸術に心が震え、すぐに見に行くなんてしてしまったのは初めてだ。蟻鱒鳶ルの姿形だけでなく、岡啓輔さんの語るストーリーが凄すぎる。

こんなにポジティブなパワーを感じて、純粋に興奮できたことが久しぶりで、本当に嬉しい。

生涯、蟻鱒鳶ルと岡啓輔さんのファンでいたいと思う。

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