卒業。告白。先生。
ついに来てしまった、卒業
その前日私は、先生にラブレターを、書いていた。
泣きながら、涙を拭いながら。
卒業式が終わった今、何故あの時私はあんなに勇気を出すことが出来ていたのか、不思議なぐらいだ。
この3年間、自信がなくて先生に、話しかけることも躊躇して、困らせてばかりの私だったのに。
そんな私を動かしたのは、紛れもないあなたへの恋心だったんだと思う。私は私の中に、こんなにも暖かく切実で私を突き動かす心があること、私は知らなかった。先生、あなたは私をどれだけ成長させれば気が済むんですか?あなたのおかげで随分生きやすくなった。自傷行為に浸る日々、救ってくれたのはあなただった。どんなに苦しくても学校に行けばあなたが居た。それだけで良かった。
でも、そんな日常は意外と早く、終わりを迎えて。
卒業式、私は友達と選んだプレゼントと、短くてもあなたへの気持ちが溢れた手紙を持って先生の所へ向かった。
あの、先生これ、、、
震えた声の私を見てあなたは驚いた顔をした。
先生の普段見ない表情が見てれ嬉しかった、
残夢さんが?!と目を輝かせる先生。
嬉しかった、愛おしいと思った。
でも涙が溢れそうになったのを、ぐっと堪えている私がいた。私にとってその一言はあまりにも残酷なものだったから。私はあなたに何も残せなかったんだ、意外だったよね。そう思ってしまったから。
プレゼントの袋を覗いてにこにこ笑っている先生をみて、はっと正気に戻された。今は、今だけは笑っていないと。
私が選んだLINEのバスボムを見て先生はいった、
なんか怖いなぁこれ笑爆弾?照り焼きチキンバーガー?笑
何言ってんだこの人、正直そう思った。でもあまりにも先生らしいその言葉に思わず笑ってしまった。授業中いつも先生は同じようなことを言ってたね、私はそんな先生の授業がほんとに大好きだった。その全てを鮮明に思い出せる。あぁ、もっと聞きたかった。先生の言葉で国語を学んで、先生の言葉で笑っていたかった。ずっと一緒にいられたらいいのになぁ、、
そんな時間もあっけなく終わってしまった。
いつも通りの素敵な笑顔で、これからも頑張ってねって。私はどうにか会話を続ける方法を探したけど、そんなものはなかった、喉に詰まって言葉が出てこなかった。
ありがとうございました。
最後に私が言ったこの言葉に私の気持ちがどれだけ詰まっていたか、先生は知っていますか?
先生とお別れをして、先生を見送ったあと
我慢していた涙がどっと、溢れてきた
一緒にいた友達に連れられ会場の隅にはけて
そこでわんわん泣いた、自分ではもう止められなかった。止めようと思えなかった。友達は言ってくれたしんどかったね、3年間ずっとしんどかったね、よく頑張ったねって。それで私は思い出した。
あぁ、この子達ともお別れなのかと。私はあほすぎる。先生のことしか考えていなかった、、、他の卒業生が写真を撮ったり涙を流したりしているのを見ながら私たち3人は早めに家に帰ることにした。その帰り、私達は、3年間の思い出を振り返って笑いあった。なんてことは無い。いつも通りバカなことを言い合って、はたからみたら最後なのに勿体ないなんて、思われてしまうだろう。でもそれで良かった、私たちにとっての幸せ、私たちの日常。それを感じられるだけで心が充分すぎるほど満たされた。
友達と別れる時、ばいばーいといつも通り言ったあと、ふと思い出して、
まって今日卒業じゃん!!!!ばいばい!!!!!なんて言い合った。幸せだ、お前らといて正解だったよ、ありがとう。そう思った。
私はこの3年間なんど死にたいと願っただろう。
でも今なら言える。
私生きてて良かったよ、
生まれてきて良かった。
先生、友達。どうかこれからもお元気で。
私はもう大丈夫。
あなた達のおかげで、これからもちゃんと、前を向いて生きていけそうです。