小指を怪我したおかげで。
怪我の功名
「ふとした過失から、思いがけず良い結果をもたらすこと」を意味する言葉です。 怪我はふとした過ちから起こるものですが、後に良い結果につながる様子を指しています。
先日、左手の小指を切ってしまった。
洗面台にあった彼の髭剃りに手をぶつけ、落としそうになったのを抑えたのが原因だ。
自分の不注意に呆れる。めちゃくちゃ痛いし、結構な血が出た。
利き手じゃなかったこと、お風呂上がりだったことは不幸中の幸い。
私にとって大事なこと
ケガをした瞬間、結構な痛みと血をみて、彼に泣きついた。血が止まらない!と言い、ケガを見せに行った。
彼は傷口をみて、「うわぁ」とすごく痛そうな顔をした。こういう時、「あ〜そんなのすぐ治るっしょ!」とか言わないところが好きだ。たかが小指の怪我だとしても。
たまたま家にあった大きな絆創膏を彼はチョキチョキと切り、私の小指に器用に巻きつけてくれた。
小指がまるでコックさんの帽子を被ったような形になって、それがおかしくて笑った。
本当は、絆創膏を貼るくらい自分で出来る。
でも、自分でも出来るけど、こうやってとことん甘やかしてもらうのって悪くないなって思った。
いや、悪くないっていうか、最高だと思った。
気づけば芋づる式に、彼がしてくれた嬉しいことを思い出していた。
以前、ワクチンの副反応で熱が出た時の話。
明け方に高熱が出た私のために、ドラッグストアを2店舗自転車で回って、切れてしまった解熱剤を探しに行ってくれた。出勤前に。よく考えたらそんな朝早くドラッグストア開いてるわけないのにね。それに、解熱剤なくたって死ぬわけじゃない。
結局買えなかった、と言って帰ってきたんだけど、その気持ちだけで嬉しくて泣きそうになった。私の親でもここまでしないよ。
それと昨日。小指の怪我とは全然関係ないんだけど、彼は焼き芋を2本買ってきてくれた。
私が最初に手に取った方より、彼が手に取った方が黄色くて美味しそうな色だったのに気がつくと、こっちを食べな!と丸々交換してくれた。
小指のコック帽を見るたび、私はこれらの出来事をじんわり思い出す。どうしてここまで、愛を注いでくれるんだろう。
そして、私にとって「これだけが大事なことだ」とハッキリした。
困っている時、弱っている時、その気持ちに寄り添うこと。
相手の感情を蔑ろにしないこと。
いつでも穏やかであること。
相手のために行動すること。
それを、継続すること。
これを愛と呼ばず、何を愛と呼ぶんだ。
小指の治りは遅い。
でもそのおかげで、小指を見るたび、巻いてもらった絆創膏を見るたび、温かい気持ちになれる。
怪我の功名ってやつだなあ。
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