
幼い頃の遠い日の記憶
3歳頃の記憶。
夢なのか現実なのか、真っ暗な夜になるとすり
ガラスのドアを開けて猫が入ってくる。
とても恐ろしい形相をした猫だ。そして毎晩
のように私を襲う。
今思えば、その当時猫は飼っていなかった。
また、ある時は。
住んでたアパートの2階から下の公園を見下ろし
た日。砂場にたくさんの骸骨とたくさんの蛇が
うじゃうじゃしていた。
その時の私は別に驚きも何もしなかった。それ
が私にとって目に見える普通の毎日だったか
ら。
ずいぶん後になってわかったのだが、どうやら
わたしには人には見えないものが見えていたら
しい。