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『文章の名手・藤沢周平作品の魅力』(英語対訳)

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藤沢周平の作品は、文章に詩情があり、人間の心の機微が巧妙に表現されている。風景描写の美しさと心理描写の丁寧さが際立っている。『橋ものがたり』、『せみ時雨』、『三屋清左衛門残日録』…
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2023年8月の記事一覧

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 10                  

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 10                  

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 10
 
10 庄内の食べ物と「耐える力」
 シリーズには多くの食べ物が登場します。「菊のなます」「小鯛の塩焼き」「筍や山菜」「醤油の実」「村の者が売りに来るみょうが」「みょうがの紫蘇(しそ)漬け」など。まさに、庄内の季節の食べ物です。
 作家自身が「用心棒」シリーズを書いている頃こんなことを語っています。

「私が小説を書きはじめた動機は、暗いもの

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 9                        

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 9                        

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 9
9  評論 2
 『用心棒日月抄』シリーズは、『用心棒日月抄』『孤剣』『刺客』『凶刃』の4作から校正されています。主人公の青江又八郎は、都合4回、江戸に上る。それぞれ完結形式で物語は展開するが、海坂藩と思われる「北国の小藩」の政争に巻き込まれ、それを解決する、という筋立ては変わりません。3度目まではいずれも浪人の身分。冒頭の描写は、4度目の江戸行

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 8                         

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 8                         

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 8
8 評論 1
 
 第一作では赤穂浪士が吉良を討つまでの様子と、青江が藩を追われたきっかけとなった事件の真相が解明されるまでが重なるように描かれる。用心棒という裏の仕事をしているうちに次第に赤穂の浪人たちと関わるようになり、青江の目から見た『忠臣蔵』が明らかにされる。赤穂浪士の討ち入りを主軸に、その廻りを又八郎が走り廻っていると取れなくもありませ

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 7                         

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 7                         

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 7
7 映像化
☆「江戸の用心棒」フジテレビ系列(1981年)木曜日21:00からの連続テレビドラマ。古谷一行主演。
☆「用心棒日月抄」日本テレビ系列(1989年)『水曜グランドロマン』枠の単発テレビドラマ。杉良太郎主演。
☆「腕におぼえあり」NHK(1992年 - 1993年)『よろずや平四郎活人剣』のエピソードを取り込んだテレビドラマシリーズ。村

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 6                     

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 6                     

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 6
6 3―4 凶刃 - 用心棒日月抄(1991年)
 『小説新潮』1989年3月号から1991年5月号まで断続的に掲載。1991年新潮社刊。1994年新潮文庫。
 前作『刺客』から16年後、青江又八郎は40歳を越えており、藩の近習頭取に就いていた。ある日、青江は嗅足組解散の指令を江戸屋敷に伝える密命を受けた。使命そのものは秘密であるが、今回は前3回

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 5         

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 5         

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 5
5 3―3 刺客 - 用心棒日月抄(1983年)
 『小説新潮』1981年11月号から1983年3月号まで断続的に掲載。1983年新潮社刊。1987年新潮文庫。
 連判状を取り戻し、藩の政争に区切りがつくかと思われたのも束の間、旧大富家老派の真の首魁は藩主の叔父の寿庵保方であることが判明した。寿庵保方は、江戸の嗅足組を壊滅させるため、5人の刺客を

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 4           

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 4           


藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 4 
4 3-2 孤剣 - 用心棒日月抄(1980年)
 『別冊小説新潮』1978年秋季号から『小説新潮』1980年3月号まで断続的に掲載。1980年新潮社刊。1984年新潮文庫。
 間宮派のクーデターによって藩政に落ち着きが戻るかと思われたが、旧大富家老派の連判状を大富丹後の甥・大富静馬が持ち出したことによって、旧大富家老派の残存勢力への対応が不

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 3            

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 3            

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 3
3 あらすじ
3-1 用心棒日月抄(1978年)
 『小説新潮』1976年9月号から1978年6月号に掲載。1978年新潮社刊。1984年新潮文庫。
 東北の小藩の馬廻り役の青江又八郎は、家老大富丹後の一派が藩主毒殺計画を遂行中との密談を、偶然に耳にしてしまう。許婚の父親に相談したが、その父親は大富一派に与しており、青江に斬りかかってきたため、青

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 2                        

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 2                        

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 2
 
2 登場人物
 
青江又八郎:本作の主人公。藩内の抗争に巻き込まれ、3度も脱藩して江戸暮らしをすることになる。江戸では、用心棒稼業で糧を得ながら、与えられた密命を果たしていく。4度目の江戸入りは、藩の御用であったが、やはり密命を帯びていた。
佐知:藩主直属の密偵組織「嗅足組」頭取の娘で、江戸の組織を掌握している。最初は、刺客として又八郎の前に

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藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 1                        

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 1                        

藤沢周平『用心棒日月抄』ダイジェスト、英語対訳 1
1 はじめに
(概要)
 東北の小藩を諸般の事情で脱藩し、江戸で浪人暮らしをする青江又八郎と、その周辺の人物を描いた時代小説です。藤沢周平の作風に変化が現れた1970年代後半から『小説新潮』に連載が開始され、1991年まで続編が続けて執筆される代表作となりました。
 刊行本は全4作品ですが、最初の3作品と最終作『凶刃』とでは趣きが異なります。『用

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藤沢周平『海鳴り』ダイジェスト、英語対訳 10                      Fujisawa Shuhei "Uminari (The Roaring of the Sea.)": A Digest、Japanese-English Translation 10

藤沢周平『海鳴り』ダイジェスト、英語対訳 10                      Fujisawa Shuhei "Uminari (The Roaring of the Sea.)": A Digest、Japanese-English Translation 10

藤沢周平『海鳴り』ダイジェスト、英語対訳 10
10(論考)4
 
 本書『海鳴り』には、海や川の情景が幾度か登場するが、抜き出してみると、たとえばこんなところ――。
 
「そして空は、よく見ればゆっくりと一方に動く黒雲に埋めつくされているのだった。街道には、ほかに人影はなかった。歩いているのはそのころはまだ新助と言っていた、新兵衛ただひとりである。
 笠を押さえながら、新兵衛はいくぶん心ぼそい気

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藤沢周平『海鳴り』ダイジェスト、英語対訳 9                      Fujisawa Shuhei "Uminari (The Roaring of the Sea.)": A Digest、Japanese-English Translation 9

藤沢周平『海鳴り』ダイジェスト、英語対訳 9                      Fujisawa Shuhei "Uminari (The Roaring of the Sea.)": A Digest、Japanese-English Translation 9

藤沢周平『海鳴り』ダイジェスト、英語対訳 9
9 (論考)3
「海鳴り」という表題は、若かりし新兵衛が仕事で出かけた道中、湘南の海岸で沖を大風が通る音、「海鳴り」、を聞いたことから来ています。この音を聞いた新兵衛は「急に恐ろしくなって小走りに街道を走」るのです。そしてその場にいた老人にこの後「大荒れになるぞ」と言われ、その通り雨交じりの強い風に撃たれる。
 新兵衛は自分の店が大店の標的にされている

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