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1 旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)【2 いよいよ製作】

○素材と工具選び
寸法の小さなモデルを作る素材としては紙が一番適しています。建物の各部にあった色、厚み、面粗さをもつ紙を選んで使います。大きな文具店、素材店にあるおびただしい種類の紙の中から選び出しました。たとえば建物の壁面用には外壁のざらざら感がある紙を。

 きれいに作る秘訣は優れた工具選びと言って過言ではないでしょう。素材の紙には精密な切り取り線を引くので、0.3㎜芯のシャープペンシル、スチールの精密物差しが必要です。紙の切り取りには精密カッターが必要。また、切り取った後の小さな紙片を取り扱うには精密ピンセットが必要なので、私は半導体工業で使われているシリコンウエハー取り扱い用の精密ピンセット(スイス DUMONT製)を使いました。紙の貼り付けには速乾性の木工用ボンドが適しています。これらはしばらく使っていると故障、劣化するので、買い替えが必要。趣味にはそれなりにお金がかかります。
 
○紙の切断と部品の組み立て
厚紙で大小の直方体を作り、それを並べて骨格としました。直方体の数は大小合わせて20ぐらい。薄目の厚紙で壁紙をつくり、これらの骨格に貼り付けて外形を整えました。白紙に窓枠を描いて切り取り、これらを多数並べて貼り付けて窓を完成。窓の大きさは3㎜×8㎜程度と小さいのでこの作業ではとても目が疲れました。これらを壁面に張り付けるとなんとか建物らしくなりました。
 こうして作った建物本体に、玄関、丸窓、などの「部品」をつける必要があります。これらは小さいうえに曲線部があり、作りにくかったのですが、何とか製作。これを本体に接着しました。

骨格(左)、「部品」(中)、くみ上げた本体(右)。


 


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