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北海道企業の成長を支援するITパートナー|株式会社TO-Bクリエイション【会員インタビュー】
札幌出身の佐々木将人氏は、ITコンサル、法人向けIT教育(リスキリング)、システム開発という3つの事業を展開するTO-Bクリエイションの代表です。
法学部出身でITとは無縁だった彼が、なぜこの道に進んだのか。その背景には、ホテル事業に携わった経験と、札幌に「良い会社」を作りたいという強い思いがありました。
課題の背景を理解するITコンサルティング
ー主な事業内容をお聞かせください。
ITコンサルティング・法人向けIT教育(リスキリング)・システム開発の
三つの事業を展開しています。
中小企業へのコンサルティングを中心に、業務効率化や生産性向上のためのシステム開発を行っています。
ーITコンサルティングを中心に事業展開をされているということですが、どのような相談が多いですか?
そうですね。今までのお客様は製造業や不動産業の方が多いのですが、
・行っている業務が紙やエクセルで行われており、なかなか効率化を図れない。
・人材不足の中でなんとか生産性を上げられないか?
・担当者がいなくなっても業務を回せるように、属人化させずに業務を回していきたい。
というお悩みが多いです。
最近では、営業担当者の見積書作成業務をシステム化し、大幅な時間短縮を実現しました。
「営業マンには、なるべくお客様のところに行くということに時間を費やしてほしいが、見積もりや社内の資料作成などに時間がかかり、社内にいる時間が長くなってきている。もっと外に行ける時間を増やせるようになにかできないか?」という相談でした。
お話を聞いていくと、大量の製品や種類の違いで原価が変わっていたのですが、それを紙の資料を見ながら手入力で作成している状況でした。そこで、製品の金額表をデータ化して簡単に見積もり作成できるようなシステムを組み、時間短縮を可能にしました。
ーコンサルティングをする上で心がけていることはありますか?
事業内容にはシステム開発も含まれていますが、当社はシステム開発をメイン事業としている会社ではありません。
クライアントが抱えている課題の「背景」をしっかりとヒアリングし、その課題を解決するには何を行うべきかをプランニングすることを強みとしています。
例えば、経営者の方から「こんなシステムがあるらしいが、うちにも作ってほしい」といったご依頼をいただくこともあります。ご要望通りのシステムを開発することは可能ですが、システムを導入しただけで問題が解決するとは限りません。従業員の方が運用できる体制が整っていなければ、せっかくのシステムも宝の持ち腐れになってしまいます。また、場合によっては、システム開発を行うよりも、既存のツールを活用する方が効率的に解決できることもあります。
企業の課題を丁寧に整理し、最適な解決策を提案できることが当社の強みです。
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ーリスキリング研修についても教えてください。
リスキリング研修は大きく分けて二つあります。
一つはITやAIなどのスキルの習得と技術の活用、もう一つは社内における課題解決能力の向上です。これらを組み合わせた研修を行っており、ワークショップ形式で自社の課題を実際に解決していく方法を学びます。
一つ目のITやAIスキル習得研修では、最近よく耳にするAIの仕組みや使い方、AIに付随する簡易的に使用できるノーコードツール、プログラミング知識がなくても使用できるITツールの使い方や活用方法などを学んでもらいます。
二つ目の研修は、ツールを使えるようになるだけでなく、実際に自社の業務や問題解決にどう活用できるのかというフローを、フレームワークを使いながら一緒に作っていく内容になっています。この研修では座学だけでなく、自社の課題をどう解決するのかという視点でワークショップを行い、実際に簡単なツールを一つ作るところまで行います。
これらの研修は、ITに精通した社員だけでなく、むしろIT初心者の方に多く参加いただいています。
当社は企業が抱える課題を解決するためには、社内の人材育成が不可欠だと考えています。外部に頼るよりも、自社でITを活用できる体制を構築することで、よりスピーディーかつ効果的な課題解決が可能になります。
ホテル事業の経験がITコンサルタントへと導く
ー会社を立ち上げたきっかけを教えてください
実は、ITに関しては独立してから勉強を始めました。
前職は不動産企画開発会社で、新規ホテルの立ち上げや新規事業開発に携わっていました。
その中で、ホテル経営の効率化を図るため、システム開発会社とやり取りをする機会がありました。
当時は、私自身もシステム開発に関する知識がありませんでしたし、開発会社の担当者は事業の経営目線を持っていないため、納得のいく提案をもらえず、私自身もうまく伝えることができませんでした。
「それなら、自分で勉強してシステムを作った方が良いものが作れるのではないか」と思い、独立後にITの勉強を始め、今の事業を始めるに至ったのです。
リスキリング事業を行っているのも、こうした経験が背景にあります。
結局のところ、ITシステムは、会社の事情を知らない外部の人間が作るよりも、実際に課題を感じている社内の人間が「こうすればもっと良くなる」「ここを変えればできる」と主体的に考えていく方が、より良いものが早く作れると考えています。
もちろん、ITに関する知識をゼロから完全に自社で習得するのは難しいでしょう。しかし、基礎知識を習得し、土台を作ることができれば、「この課題にはこのITやAIを活用したこの解決策がベストだ」という方向性を明確に決めることができ、専門性の高いシステム開発部分を外部に委託することも可能になります。
そういった企業を増やしたいという思いが今の事業に繋がっています。
ー「TO-Bクリエイション」という社名に込められた意味は?
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TO-BクリエイションのTO-Bには「Think Outside the Box (既成概念にとらわれずに考える)」という意味が込められています。
自分自身も、またこれからの事業も、既存の常識にとらわれず、新しい価値や成長を創造していくという思いを込めています。
クライアントとのコミュニケーションにおいても、現状の課題だけではなく、その背景や真のニーズを理解することを大切にしています。
「札幌に良い会社を作りたい」ITで地域貢献を目指す想い
ー北海道で事業を始めたのには何か理由があるのですか?
実は、会社を立ち上げた理由がもう一つあります。それは、生まれ育った札幌に「良い会社」を作りたいという思いです。
大学時代の友人のほとんどは道外の大手企業に就職したのですが、
最近は、彼らから「札幌に帰りたい」という声を聞く機会が増えてきました。
しかし、現状の待遇や収入面での差から、帰りたくても帰れないというジレンマを抱えているようです。
「友人が札幌に帰ってきても良いと思えるような良い会社を作りたい」という思いもあり、自ら会社を立ち上げました。
私自身の会社はもちろんのこと、クライアントの会社もITやAIを活用することで、業務の効率化による業績向上や、生産性の高い人材育成に力を入れることができるようになります。
そのようなお手伝いをさせていただきながら、「良い会社」を一つでも多く増やしていきたいと考えています。
ー今後の展望をお聞かせください。
はい。現在は業務委託という形でパートナーにシステム開発をお願いしていますが、今後は社員を採用し、チームとしてより多くのクライアントを支援できる体制を構築し、会社を大きくしていきたいと考えています。
また、北海道の企業のIT化を支援することで、生産性や賃金の向上に貢献し、地域経済の発展にも繋げていきたいと考えています。
ー新しい社員を迎えたいとのことですが、どんな方と一緒に働きたいと考えていますか?
「変化を楽しめる人」ですね。今は私一人でできることを事業として行っていますが、今後はさらに様々なことに挑戦していきたいですし、事業内容や規模も変化していくと思います。当社の初期メンバーとして、変化を恐れず、常に新しいことに挑戦し、それを楽しめる人と一緒に働きたいです。
スキルはもちろん重要ですが、それよりも学ぶ意欲やコミュニケーション能力を重視しています。クライアントの課題を丁寧にヒアリングし、「この会社なら、こんなことができるのではないか」と提案できるような方と一緒に働きたいと思っています。
「数学の問題を解くのが昔から得意で、企業の課題に対してどんなフローを組めばうまくいくのかを考えるのが結構好きなんです」と話す佐々木氏。法学部出身で、前職は不動産企画開発会社でホテルの新規事業立ち上げを行っており、全く異なる分野からITの世界に飛び込んだからこそ、ただ依頼されたシステムを作るのではなく、企業の根本的な問題や、IT初心者でも扱える体制作りに向き合うことができるのだなと感じました。
まさに経営者目線で問題解決にあたるTO-Bクリエイションだからこそ、救われる企業が増えていくのではないでしょうか。今後の活躍が期待されます。
取材日2024年12月2日/北海道IT推進協会 広報委員会 ライター 中村 友美
[企業プロフィール]
株式会社TO-Bクリエイション
企業のIT戦略や、社員のITやAIの研修に関することは当社にお任せください。
貴社の問題にあった解決策をご提案します。
・代表者/代表取締役 佐々木 将人
・設立年月/2020年1月6日
・事業内容/
ITコンサルティング・法人向けIT教育(リスキリング)・システム開発
・本社/〒064-0823 札幌市中央区北三条西26丁目3-1-401
・URL/https://tobcreation.com/