BIM/CIMの導入により、社会インフラ建設で進むデジタル化
みなさん、こんにちは!
今日は、札幌市東区にある日本データーサービスさんへ
入澤会長とともに、伺ってきました!
日本データーサービスさん(以下、NDS)は、総合建設コンサルタントとして、港湾や道路等の建設時のコンサルティングから、橋等の点検調査、まちづくりや交通に関する計画等で、幅広く業務を行われている企業です。
突然ですが、皆さんはBIMやCIMという言葉を聞いたことはありますか?
私は、取材中この言葉が出てきた時に、頭がハテナで埋まりました(笑)
双方ともに、三次元のモデルを中心に建築の設計や施工管理、そして建設業務で使われるシステムだということが分かります。
今回は、社会インフラ建設のデジタル化という点で、BIM/CIMの活用や社内での教育について、同社執行役員副社長の川合様、IT事業部の担当次長である柴田様にお話を伺ってきました!
日本データサービスさんって、どんな会社?
ー入澤:改めて、NDSさんについて教えて下さい。
川合様:私達、NDSは綜合建設コンサルタントです。港湾のコンサルタントとしてプロジェクトに入り、道路とか都市計画、交通計画などを支援しています。主の業務としては建設コンサルタントですね。毛色が違う事業部でIT事業部があったりもします。
IT事業部はデータの処理を昔からしており、現在はGIS関連のことをメインに行っています。建設コンサルタントとして必要なITを自前で対応しているというイメージです。
今回社会インフラのデジタル化という点でお話のテーマを頂いていたと思うのですが、その点でいくと、当社内でBIM/CIMの検討委員会というのを行っています。
国交省が2025年までにCIMを標準利用とする点を検討されていたのですが、もしかしたらご存知かと思うのですが、実はその計画が前倒しになっているんですよね。
令和2年の資料では、三次元データを公共工事で活用するという話が明文化されていて、特に「2023年までに殆どの発注工事がBIM/CIMをもとに行う」という風に、期日がだいぶ前倒しされているんですよ。BIM/CIMですべてデータのやりとり。最初の計画段階からモデルを作り、調査設計、工事施工、維持管理というすべての流れで使うんですよね。でも、これって最初の人たち、上流側の我々のような建設コンサルタントがBIM/CIMですべての土台になるものを作るという形なのです。なので、建設コンサルタントとしてこのシステムをきちんと入れないといけないという問題が出てきたのです。
そういう背景から、2年前に検討委員会を立ち上げて社内で勉強会などの開催を始めました。1ヶ月に1回勉強会をやって、メンバーは情報収集や技術の勉強会をしたり、検討委員会に参加している8人は、複数あるソフトを使えるようにと、準備を行ってきました。今は、社内での一般化のフェーズになっていて、社内講習会をしたり、会社の幹部を集めて、使い方を伝えたりしています。
どうして、ここまで全社への教育を実施しているかというと、去年北海道開発局でもモデル事業としていくつか「BIM/CIMでやりますよ」という事業があったのです。我々がとった仕事でも、設計変更で「3次元でやれるならやって。」と言われる案件が出てきているのです。他の会社でもBIM/CIMへの対応を進めている中で、我々の会社も早期に検討や教育しBIM/CIM案件にできるだけ早く対応ができるようにしようとしたものです。新年度になると、開発局からより多くBIM/CIM案件が出てくると思います。
若い人は講習会を通してしっかりと技術を取得し、部長陣はじめ世代が上の人達は、BIM/CIM含め、ITを使うことで何ができるのかという点をしっかりと営業をするために、当社が対応できる内容を勉強する形です。仕様書や、営業に行った際にITやソフトウェアと出てきて「できないんで」って言われたら困りますよね。私達は、「わからないから」「まだ対応できないから」とは言わずに、しっかりと(案件を)取りにいける体制を作っているのです。
ー入澤:社内の人材育成をどうやっているのかというところ、内製化するというところは絶対に大事なんですよね。DXは内製化じゃないとできないことなので。本当に素晴らしいです。
DXにより、単価は下がるけど数は回せるようになる。
川合様:昨年、弊社は北海道開発局の「i-con奨励賞」という賞を受賞しました。
URL:https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/jg/gijyutu/splaat000001w00p.html
稚内開発建設部管内の橋梁定期点検業務にて受賞をしたのですが、受賞詳細はドローンを用いた点検を実施したという点です。資料にも記載しているのですが、橋の点検ってみなさんも遭遇したことないでしょうか?片側を通行止にして、実施しているかと思います。ドローンを利用することで、作業車を使用することなく、実施することが出来ます。そのため、道路利用者への制限をすることなく、点検を実施することができました。
この点検においては、ドローンにて橋を撮影し画像を解析しました。そこから、点検調書の作成や三次元データの作成を実施したのですが、ドローンで撮影した画像によって破損箇所やひび割れ箇所を正確に確認をすることができる為、目視よりも高い精度で点検をすることができるというのもメリットです。
ー入澤:ドローンでの実施等が増えてくると、コンサルとして請ける案件毎の単価は下がっていってしまうのではないかな?と思うのですが、いかがでしょうか?
そうですね。確かに機械にやらせる前提なので案件毎の単価は減るかもしれませんね。ですが、コストが下がった場合、案件の数は増えるのでは?と思っています。橋や道路の維持管理が中々追いついていない中で、一件ごとの単価を下げ、一件一件をより正確に実施することが必要だと思っています。
ー入澤:なるほど。箇所が増えれば、より老朽化された設備の維持管理が進むことになりとても良いことですね。今日はお話しありがとうございました!
ありがとうございました。
取材:入澤拓也、新岡唯
文・写真:新岡唯