個人の時代には、上から引き上げてもらうのでなく「横から支えてくれる」存在がいると、安心して、力を発揮しやすくなる
パーソナル編集者の仕事をしていて、気付きがあったら、Voicyで話すようにしています。クライアントのみなさんや、仲間に考えていることを伝えるために始めましたが、しだいに、広く聴いていただけるようになってきました。
先日は、メディア仕事の大先輩である、松浦シゲキさんをゲストに呼んで配信をしました。パーソナル編集者、という耳慣れない仕事に、いちはやく支持をしてくださって、心強かったです。
手伝うよ、とかけてくださった声を真に受けて、公開カウンセリングのような形で、お話を聴きました。
数々のメディア運営に携わってきた松浦さんは、いま、パーソナルジムのオーナーも手掛けている。独立を機に、新たなチャレンジを厭わない姿勢が、すてきだなあと思っている。
配信では、まず僕からこういう話を切り出した。
ということを松浦さんに尋ねてみた。内容はぜひ配信を聴いていただけたらと思うが、ほんとうに、相談してよかったと思っている。
たとえば、ジムでトレーニングすることを引き合いに、説明をしてくださる松浦さん。例えば「ボディビルの大会に出るために鍛える人もいれば、健康の維持のためにジムへ通う人もいる」のだと。
プロの作家に伴走する、トラディショナルな編集者とは別に、ふつうの人々のための編集者がいてもいいのではないか、という自分の考えを肯定してもらえた気がした。
それと、松浦さんは、ジムを運営するかたわら、自身でも身体の鍛え方をひと通り学んできたので、自分自身でセルフトレーニングをすることもできる。だが、トレーナーをつけているそうだ。客観的な視点で助言されたり、励ましてもらうことの意義があるからだ。
30分ほど話す中で、もっとも印象的な言葉があった。
これまでの時代では、上の立場から引き上げてもらう、もしくは下から持ち上げるという関係性が、習い事や指導する場ではふつうだった。
でも、パーソナルトレーナーは「横から支える」関係性にあり、パーソナル編集者もそういう距離感のサービスなんじゃないか、と。
この言葉には、とても救われた想いになった。
伴走する、という言葉を、しっくりくるメタファーとしてよく使っていたが、松浦さんが言うところの「横から支える」という言葉で、またひとつ解像度が上がった気がする。
接する相手を、大人として尊重する姿勢を持っていれば、上から引き上げてやる、という考えにはならず、相手の可能性を信じ、力を発揮する手助けを横からそっとするだけでいいのだ。
この、けんすうさんのpostがバズっていたけれど、組織に頼りきれなくなることで、まだまだ個人の時代が加速していく。
こうした背景から、パーソナル編集者がお手伝いできる範囲の広さを感じつつある中で、では、どのように関わっていけばいいのかの解がひとつ見えたような、対話の時間だった。