【夢日記】JJ・涙・リアル双六20220516
◆1
突然の物音に身構える。ゆっくりとドアが開き、その陰から出てきたのはJJだ。彼の能力は無機物を有機物に変換して攻撃できる、非常にやっかいなものだと聞いている。距離を取りながら、隙をついて逃げるしかなさそうだ。
家が狭くとも、回遊動線のおかげですぐに追い詰められることはない。ジリ貧であるが、手当たり次第に物を投げつけながら、次々と部屋を移動してゆく。居間、廊下、玄関、台所、居間、廊下・・・。
しびれを切らしたのか、JJが立ち止まり力を溜め始めた。お互い一歩も動かず睨み合っているこの状態は、むしろ好機だった。向かって彼の右側の少し盛り上がったフローリングの下には今、自分の使い魔を潜ませた。
彼が動こうとしたその時、それを一気に膨らませた。彼は突然の異変に気を取られ、俺から視線を外した。その一瞬の隙をついて、俺は逃げ出す事に成功し、彼は諦めたような表情でその場を後にした。
◆2
師匠の家を訪れるのも、今夜で最後だ。それなのに師匠は不在。飲みにでも出かけているのだろうか。仕方がないので帰ろうとしたら、Mが師匠から、と1通の手紙を渡してきた。
手紙に使われていた紙には見覚えがあった。それもそのはず、大学書類で使う複写式の紙だった。あの師匠がこの紙を買うために、わざわざ大学の購買へ足を運んだことを想うと、自然と涙が頬を伝った。
◆3
「リアル双六も出目次第。」
そう呟くと、Kさんはサイコロを振った。出目はなんと100km。一気に平野を抜け荒野エリアへ進出、先行していたチームをどんどん抜き去ってゆく。
今夜の移動はここまでとし、この着マスを今日のキャンプ地とする。食事は自炊で、今日の晩飯はシャバシャバ気味のカレーだった。用を足しに仮設トイレへ入る。なんだか以前よりも汚くなった気がする。
(終わり)
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