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愛知県のKさんご一家が、仕事用の靴の買い替えに遠くからご来店下さいました。その際、ご主人から「靴を決める前に足のサイズの測り直しをしてほしいんですが」というご要望をいただきました。
ご主人はもともと足の長さ(足長)が28.5㎝近くあります。靴店で普段から在庫してあるサイズではないため、三喜屋へ相談に来られたのがきっかけでした。
「実は最近スニーカーを買い替えました。今まで履いていたサイズが廃番になってしまったので、同じメーカーブランドで同じサイズ表示のスニーカーを買って今履いていますが、歩くと足の指先がつかえるんです。もしかして足が大きくなったのかなぁと気になりまして」というのがサイズの測り直しの理由でした。

靴と靴型と捨て寸

靴は土台となる「靴型」を使って作られます。靴型は足でいう足長や足幅(母趾と小指を結ぶ横断線)・足囲(足幅部の周径:厚み)をはじめいろいろなポイントを計算して出来上がっています。その中のポイントの一つに「捨て寸」があります。
ヒトの足には「アーチ」と呼ばれるドーム状の屋根が3か所あります。足のタテ方向に2か所、横方向に1か所の3か所が三脚のようにつながって足のウラから身体を支えています。片足が着地し全体重がかかるとアーチは床に向かってタテ方向とヨコ方向にに沈み込みます。タテ方向に沈むということはかかと方向とつま先方向に「のびる」ことになります。この「のび率」は個人差や性別によってまちまちですが、おおむね1センチ前後と言われています。例えば23.0㎝の足長の人が履いた時、靴のつま先に指があたらないだけの余裕を「捨て寸(つま先余裕)」といいます。この余裕を計算に入れて靴型作成がされるわけですが、靴型が変わるとそのデザインとあいまって捨て寸にも違いが出てくることがあります。
Kさんの足を測り直してみると足長・足幅など従来の計測ポイントにほとんど大きな違いはありませんでした。そこで今履いている靴の内寸(靴の中のタテの実長)を簡単に測ってみると捨て寸が5㎜ほどしかありませんでした。これだと歩くたびに爪先がつかえるのも当然ですね。同じメーカーの靴でサイズ表示が同じでも靴型が変わるとこうしたケースが起こりやすいと言えます。

サイズ表示は目安

靴のサイズ表示を一つの目安として選び、両足で履いて実際に試し歩きをしてみて下さい。捨て寸以外にも、足幅や母趾小指のつけ根辺りの圧迫感やかかとの留まり具合なども確認できるといいですね。足にしっかりフィットしたことが確認できた時、「その靴」のサイズ表示が自分の足に合ったサイズだという認識をしましょう。

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