足のサイズと靴のサイズ
サンダルを受け取りに来られたAさんから「実は今履いている靴のサイズって合ってるんでしょうか?」という質問を頂きました。
ヒトの顔がそれぞれ違うように足も十人いれば十通りあります。一人の足でも右足と左足の長さや大きさが違うこともしばしばあります。それでは靴を選ぶ時のサイズはどうやって決めたらいいのでしょうか?—
足の測定と特徴観察
靴を選ぶ前に足のサイズ測定は欠かせません。
①足長(カカトからつま先までの長さ)
②足幅(母趾のつけ根と小指の付け根を結ぶ直線上の長さ)
③足囲(足幅部の周径:厚み)
④甲の厚み
⑤母趾の厚み
⑥床から外くるぶしの先端までの高さ などをはじめ片足で10か所程度の「数値情報」が必要です。
また、数値以外にその足の特徴を把握しておく必要があります。
①足の肉付き(筋肉質か脂肪のついているタイプか等)
②足指の並び(母趾が長い:エジプト型、2趾が長い:ギリシャ型、母趾~3趾位が同じ長さ:方形型など)をはじめさらに外反母趾や内反小趾、巻き爪、ウオノメなどのトラブルの有無の確認も必要ですね。
靴のサイズ:長さ
さて、Aさんから質問のあった「サイズ」に関して考えてみましょう。足のサイズ測定をする時は両足に均等に体重をかけた「静止状態」です。実際に歩いて片足に全体重がかかると足は前後に伸びます。個人差はありますが、7,8ミリは縦方向に伸びると言われています。「足に合っていると予想されるサイズの靴」を履いて歩いた時、靴のつま先壁面で指先がぶつからないだけの余裕が必要ですね。この余裕を「捨て寸」といいます。捨て寸が少ないと指先が上方向に折れ曲がったり指の先端に力が入り、タコやウオノメを作ってしまうことがあります。逆に余裕が多すぎると足と靴の踏みつけ部がずれて甲に靴ずれができることがあります。正しい位置で屈曲できないのでつまずきやすい原因にもなります。
Aさんに持参された靴で歩いてもらうと靴のカベで足がつかえていました。「それでいつも足の先が痛くなっていたんですね」とご自分でも確認していただけました。
さて、足の実際のサイズと一緒のサイズ表示の靴が履ければ靴選びも至極簡単なのですが、現実はなかなかその通りにはいきませんね。それは靴はタテの寸法だけでなく、「容積」と足の肉付きの関係・つま先のデザインと足指の圧迫度など色々クリアしなければならないポイントがあるからです。「〇〇㎝の足だから靴も○○㎝」という先入観を持たず、ポイントや特徴を押さえた靴を履くのが足に合った靴選びの近道と言えまね。
普段の街履き用の靴も探しておられたAさんにお見立てをしました。「土踏まずがとっても気持ちイイですね。足の指がまっすぐ伸びてるのが分かります」という感想を頂きました。これからは足に合った靴を正しい履き方をしてお出かけを楽しんで下さい。
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