パンプスのカカト加工
「礼装用のパンプスのヒールが高いので足が前滑りします。母趾のつけ根も痛くなるし。ヒールを切って低くしてもらいたいんですが…」今日はこんなお問合せを頂きました。
木型とヒールの高さ
靴を作るにはその土台となる木型(靴型)が必要です。つま先の形状や靴幅の広さ、さらに全体のシルエット等など細かい箇所に至るまで計算に入れながら木型は作られます。当然、かかとの高さも計算に入っています。かかとの高さに合わせて「返り」(つま先の接地面。足でいう幅が最も広い場所)も決まってきます。ヒール靴、特にパンプス系の5㎝4㎝(中には7㎝以上のハイヒール)のカカトを数センチ切り落とすと、この「返り」の位置がずれ爪先が反りあがった状態になります。留め具のついていないパンプスは靴の中で足が前後に移動したり横ブレしやすい履物です。ヒールを切り落とすと足の返りが悪くなってしまいますしかかと周りの留まりがさらに悪くなって「スポスポ」と脱げやすくなり足を傷めてしまうのでお勧めできません。
脚長差の足の方の靴選び
また、股関節を傷めておられる方で片方の「脚」の長さが2~3㎝短い方がおられます(脚長差:きゃくちょうさ、と言います)。「礼装用に」とパンプス系の靴を選ばれるとヒールの高さ調整ができないので「靴に合わせた歩き方」になってしまいます。股関節周りやヒザへの負担も大きくなることもあります。そんな場合は靴底がフラットなタイプの靴を履かれることをお勧めします。短い方の脚に合わせて靴底全体に厚みを加えることができますので、履き心地が向上し安定した歩き方ができますね。
シンプルでかつ足留まりいい礼装用の靴選びのヒント
足が簡単に入る「ステップイン」の靴は履きやすい代わりに脱げやすいという特徴があります。足首周りにベルトのついたタイプの靴を選んでみましょう。シンプルに見栄えもイイですし足留まりも良くなりつま先が解放されます。かかとのスポスポ感も解消されますのでお勧めですよ。
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