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「もう何年もパンプスを履いて仕事をしていますが、以前から気になっていた親指の付け根が最近痛くなってきました。靴の革を伸ばしてもらえませんんか?」―いわゆる「外反母趾」を抱えるお客様からこんなご相談を頂きました。

靴の革を伸ばすだけで大丈夫?

外反母趾になる原因は加齢・遺伝性・合わない靴の常用など色々あります。
母趾のつけ根の関節が「脱臼」を起こした状態で、足を上から見下ろすと「く」の字状にまがっています。症状が進んでくると母趾のつけ根がさらに曲がってくることがあります。母趾の上に2番目の指が乗っかって靴を履くと2番目の指のうえにタコやウオノメができることがあります。また、先の細い靴だと母趾が2番目の指のヨコを圧迫してここにウオノメができる方もおられるようですね。件のお客様は5㎝ヒールのパンプスを常用されていたそうです。「低いヒールがいいかも」と靴底がフラットなタイプのスリッポンシューズに買い替えられましたが、それでも痛みがおさまりません。

革を伸ばして逆効果になることも

そこで痛い部分の革を伸ばせば痛みも治まると考えられたようです。
痛い部分の革を伸ばせばその個所にゆとりができます。ところがパンプスやスリッポンタイプの靴は足止まりが悪いので、ゆとりができた分足が前滑りを起こします。足指が靴の前方に滑りこみ伸ばした位置と母趾のつけ根の位置がずれてしまうので、母趾の痛みが増幅することがあります。また。足指全体が靴の前方に押し込められるので、指全体が痛くなってしまうこともあるので、気をつけたいですね。

痛みを軽減する靴選びのコツ

外反母趾の方は足幅の広い靴を選ばれることが多いようです。この選び方だとサイズはドンドン大きくなるのでかかとはゆるく土踏まずあたりもブカブカの履き心地になってしまいます。靴に合わせた歩き方になってしまうので、やはり足が痛かったり疲れやすく正しい歩き方もできません。そこで
①かかと周りと土踏まずあたりで足がしっかり留まる靴を選びましょう。ベルトタイプやレースタイプのフラットシューズがお勧めです。ヒールタイプでも高さは3㎝前後が負担も少ないですね。この状態で母趾のつけ根が痛い場合はその個所を伸ばします。
②こうして選んだ靴のフィット感を高めるためにオリジナルの中敷きを作って靴に挿入する方法があります。単に靴の革を伸ばすだけでなく足のウラを支えることで靴全体の履き心地がアップします。

足型の特徴把握とサイズ計測をしましょう

一口に外反母趾と言っても外反の角度やほかの指の位置や状態は様々です。こうした靴選びをするためには足を拝見し、特徴把握や各部位のサイズ測定がとても大切な作業になります。お時間をかけて足に合った靴をシッカリ選びたいものですね。

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