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「靴の留め具が調子悪いので修理、お願いします」―三喜屋では取り扱っている靴の留め具の不具合が出ると修理を承っています。今日はこんな修理のご依頼がありました。

面ファスナーの交換

Hさんは巻き爪のため靴を履くといつも母趾が痛くなります。立ち仕事で歩くことも多いので足に合った靴が履きたいと昨年末に三喜屋に相談に来られました。あれから3ヶ月後、履き心地のご報告と一緒にこんなことをおっしゃいました。「爪の調子は良好です。ただ、留め具のマジックテープの部分がくっつきにくくなってきました。歩くとベルトが外れて靴が脱げやすくなってきます。どうにかなりますか?」―靴底と同じようにベルトのマジックテープ(面ファスナーと言います)は磨耗すれば交換することができます。そこでお預かりをしてお直しをしてさらに3ヶ月経ちました。再度来店されたHさんが「3ヶ月前にマジックテープを直してもらったのにもう効きが悪くてベルトが外れてしまうのですが」というお問い合わせがありました。

留め具の摩耗の速度

面ファスナーには強度が数種類あります。布製バッグなどと違い靴の場合足が返った時(地面に着地し足をあおって指先で蹴りだす時)に甲でしっかり留まるだけの強度が必要です。靴に使われる他の部材ももちろんですが、強度や引っ張り等の試験を繰り返し合格した材料が厳選して使われています。

面ファスナーの寿命

しかしいくら強度の強い材質のものにも寿命があります。通常靴の脱ぎ履きが1日2,3回とすると同じ回数の面ファスナーの着脱をしたとしてその寿命は6,7か月と言われています。そこでHさんに靴の脱ぎ履きの状態をお聞きすると1日に平均8回ほどはあるとのことでした。通常の使用回数をはるかに上回っているため、面ファスナーの摩耗が想定以上に早まったようです。また、一足の靴を1週間近く履き続ければ摩耗度はさらに早まってしまうようですね。靴底も6ヶ月の使用のわりに片べりが進んでいました。

数足の足に合った靴の履き回し

脱ぎ履きの多い職場だと着脱のラクな靴に越したことはありません。しかし脱ぎ履きの身を優先して足を「ストン」と入れる靴を選んでしまうと足が前滑りを起こします。Hさんのように巻き爪の方は爪を傷めてしまうので、やはり留め具のついた靴は欠かせないですね。そこで、同じタイプの靴をも1または2足買い足されローテーションで履きまわすことをご提案しました。一足の面テープが摩耗したら予備の靴で対応されれば爪の心配をすることなくお仕事に専念していただけると思います。また、少し面倒でも靴ヒモタイプの靴であればヒモが摩耗したら交換するだけで済みます。爪や足、そして体を守るためにもぜひお試しいただきたいですね。

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