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可児市のOさんは2年ほど前に外反母趾を発症しました。前後してヒザ痛や腰痛にも悩まされるようになり、病院で「足底板」を作ってもらいました。お蔭で母趾やヒザの痛みは軽減されたそうです。さて、今まで履いていたスニーカーが傷んでしまったので新しく2足目の靴を購入し、足底板を入れて歩くようになりました。ところが、母趾や小指・土踏まずまで痛くなり始め「これは靴が合っていなかった?」と相談に来られました。

中敷きと靴のデザイン・容積

最近のスニーカータイプの靴には「中敷き」が搭載されているものが多くなりましたね。発汗吸収やクッション性など履き心地や快適さを考慮して開発されています。Oさんは中敷きの取り外せる靴を靴屋さんで選んでもらったのに足が痛くなってしまいました。その原因にはいくつかありそうです。例えば―
①中敷きの全長が収まる靴で、もともと入っていた中敷より足底板のほうが「厚み」が多い場合:靴の中の容積は従来品より少なくなります。履くことはできても靴と足の幅周辺や甲周りがきつくなってしまいます。
②靴のつま先のデザイン:ヒトの足の指の並びは大まかに分けると
 ・母趾が一番長い「エジプト型」
 ・二番目の指が長い「ギリシャ型」
 ・母趾~3番目の指辺りが同列で4,5番目が緩やかに短くなっている
  「方形型」の3種類になります。
Oさんの足指の並びを観察すると方形型で外反母趾のため母趾のつけ根が張り出しています。一方、靴のつま先のシルエットはやや細身のタイプのデザインでした。最初に搭載されていた中敷より厚みのある足底板に入れ替え、靴の中の容積が減ったことと、つま先の細いデザインの靴で母趾が靴のカベに押されて痛くなってしまったようです。

痛みが増幅するわけ

もう一つ痛みが増幅してしまう原因として、「靴をゆるく履く」ことがあります。日本家屋の住宅事情は「床と土間」の二重構造になっています。靴ひもをゆるくして脱ぎ履き優先の履き方をする方が多く、これが足を傷める原因の一つです。また、足の痛みを解決しようと靴ひもをゆるくして歩く方がおられます。これらの履き方をすると足は靴の前方に滑りこみ壁や天井の圧迫を受けて、足指全体を傷めてしまうことになります。特に足底板は足のウラから体重を支えるため凹凸の形状になっています。靴がゆるいと足が正しい位置に収まらず、土踏まずにストレスをかけることになります。「痛くならないように靴ひもをゆるくして履いていたけど逆効果だったんですねぇ」とおっしゃるOさん。つま先に丸みを持たせ、足底板とほぼ同じ容積の中敷が搭載された靴を選び入れ替えて歩いてもらいました。数周店内を歩いて頂きましたが、「全然痛くない。ピッタリしてて気持ちイイ…」ー不思議そうにつぶやいておられました。毎朝1時間ほどのウォーキングをするのが楽しみだったOさんですが足が痛くて断念されていたそうです。明日からは靴ひもをシッカリ縛って以前のように楽しく歩けそうですね。

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