旅の楽しさは計画から始まり実感で膨らむ。姫路旅
コロナ禍で帰るのを控えていた徳島の夫の実家に5年ぶりに帰ることになり、どうせなら周辺を観光しよう!ということで、姫路・神戸・淡路島を2日かけてまわることにした。
この5年間、何となく関東から出るのを控えていて、遠出しても東京隣接県(神奈川・埼玉)。一番遠くても茨城。
なので、関西遠征が嬉しくてうれしくて、計画段階からテンションが否が応でも高まる。
旅ってある意味「行く前」が一番楽しくてワクワクするものではないだろうか。
行きたいところをピックアップして、いかに効率よく回るか、日程的に詰め込めるか、見どころはどんなところかetc
調べて日程を組み立てていると、妄想・・・じゃなかった、想像が膨らみ、めちゃくちゃ楽しいのだ。
行きたいところをこんな感じに
ピックアップしていたら、Xの投稿で姫路セントラルパークのししおどしに打たれるカピバラ動画が流れてきた。
こ、、、これは!!!!
めちゃくちゃ見たいやつ!!!!
姫センカピバラししおどし見学には、夫も諸手を挙げて激しく同意。
さすが職場のPCの壁紙をカピバラ写真にするほど筋金入りのカピバラ好きだけある。
そんな訳で、どうにかして半日で「姫セン」「姫路城」「神戸どうぶつ王国」を回るプランを考えてみたのだけど・・・
姫路駅から姫センまで、片道バスで30分。
しかも、本数は1時間に1本。
どう頑張っても、姫路城と姫センを両方見て神戸どうぶつ王国行くのは厳しい。
「神戸どうぶつ王国は今回見送り、姫路に集中しよか?」
と夫に持ちかけると
「城はなくならないけど、動物園はいつなくなってもおかしくないよ」
と言う。
「僕、お城に興味ないし」
とも。
そんなこと言われたら、城は最悪バスから車窓より観光とし、動物園ハシゴにするしかないではないか。
姫センと神戸どうぶつ王国のプランにしよう。
そう思った矢先。
姫セン入場料を調べてみたら・・・
4000円・・・・。
どうやら動物園だけでなく、アイススケート・プール・遊園地がセットでの価格。しかも、動物園単品ではチケット売ってないらしい。
滞在時間2時間位しか取れないのに、4000円。
大人2人で8000円。
1時間あたり一人2000円(しつこい?)
さすがに、これはコスパ悪い。
動物園単体で2000円だったら断然アリだったのだけど、無念。。
ししおどしカピバラは泣く泣く諦め、姫路観光は姫路城に絞ることにした。
城に興味ゼロな夫に興味を持たせるプランBは、こうして始まった。
姫路城の魅力を詰め込むプランB・始動
「僕、お城に全然興味ないんだよねぇ」
と言い放った夫をねじ伏せ・・・
違った、説得して姫路城を観光するプランにした以上、夫がお城を楽しめるようにせにゃあかん。
とはいうものの。
日本史大好きだけど、案外城については知識がなかった私。
姫路城も、「暴れん坊将軍」のオープニング映像で映っているから見てみたいという実にミーハーな動機。
そんな薄い知識では、理系論理派男子の夫を説得できない。
そんな時に思い出した。
夫はNHK番組の「ブラタモリ」が大好き。
その土地の歴史や背景の情報があれば観光してても楽しいのに、と、番組を見る度言っていたことを。
ということはだよ。
「ブラタモリ」っぽく、背景知識を私がインプットしておいて、お城見ながら「この石垣はうんたらかんたら」って説明したら楽しめるのではないか!?
そんなわけで、図書館で「お城」「姫路城」に関する書籍を借りてきて、事前学習した。
お城についての事前学習
図書館で借りてきた本を元に、まずはお城の基礎知識をメモ。
これまでお城を見ても違いが分からなかったのだけど、本で事前に学習すると「石垣」「設計」「天守の構造」などが時代や技術進歩度合いで違うのが分かった。
「縄張り」は城用語だった!
たとえば、お城の設計を表す「縄張り」
縄張りって、893さんかワンコのおしっこかけエリア位にしか思っていなかったので、まさかそのルーツが「お城の設計図」だったとは!!
知ったときに、心の底から「へぇええええ!!!」と叫んだ。
姫路城は、一般的な城の堀配置に見られる同心円状とは異なり渦巻き状の堀配置で、城に攻め入るためには3つの堀をこえなければならない、攻める側には大変な設計だったのだとか。
渦巻状の縄張りは他に江戸城に見られるだけだそう。
天守の違いを知ると城の面白さ倍増↑
天守の形状についても、本を読んでみて初めて知ることばかり。
天守閣には「独立式」「連結式」「複合式」「連立式」があるらしい。
これまで小田原城など訪れても「城だー!」とテンション上がってただけだったけど、調べてみると構造の複雑さが違うのが実におもしろい。
実際に手書きしてみると、複雑な構造はもはや再現できず、ゲシュタルト崩壊・・・。
目で見るだけでなく、実際に手を動かして書いてみることで、
緻密さ、複雑さ、構造の違いを体感として落とし込むことができるのだと思った。
石垣:時代と共に洗練される防御力と外見
更に、石垣にも時代が後になるほど技術が向上し、きっちり隙間なく高く積み上げることが出来るため、石垣を見るだけでもどの時代なのかが分かるのだとか。
おお!!!
めちゃくちゃブラタモリっぽいぞ。面白い!!!
これは、現地で説明したら夫も食いつくはず!!!
スムーズに観光する便利サイト
調べていく内に、姫路城はかなり広い&超人気スポットで、天守閣の最上階に上るまで繁忙期は2時間待ちという情報にぶちあたった。
こ、、これはマズイ・・・・
更に、私たちが訪れる日は「姫路マラソン」開催中で、通常と人の流れが違うことが想像に難くない。
限られた時間を効率よく使うために調べてたどりついたサイト、「姫路城便覧」が、実に神サイトだったのである。
このサイトには「姫路マラソン」開催にあたり、2/11は「大手門から入れない」という情報も掲載されていたのだ。
大手門からアクセスできないと、めちゃ遠回りと事前に知ることで、時間配分を見直すことができ、助かった!
更に、サイト最上部の「来場状況」をタップすると、直近の混雑状況を確認できるという便利さったら!!!
板張りの廊下のため、冬場は室内履きや滑りにくい靴下持参がおすすめなど、事前に知っておくと現地で快適にお城観光に全力を注げるアドバイスが掲載されているので、必見!
実際、アドバイスどおり厚手&滑り止め付きのワークマンの靴下持っていったら、めっちゃ重宝したのでおすすめ!
(スリッパ貸し出ししてるけど、急な階段の登り降りが多いので、スリッパ履いている人たちは苦戦していたので)
いざ!姫路城へ!
姫路城の見どころの一つとして、「時代の異なる石垣が一度にに見られること」と図書館で借りた本に書かれていたので、チェック!
姫路城に残る石垣で一番古いのが、羽柴秀吉時代のもの。
秀吉が配下の黒田官兵衛に命じて作られた石垣で、自然石をそのまま積上げる「野面積み」。
初期の石垣技術で、あまり高く積むことができず、せいぜい3m位の高さまでしか積めないらしい。
事前学習が生きてきた!!
天守台の石垣は、羽柴秀吉の後、池田輝政が築いたもの。
野面積みより技術が進み、「打込はぎ」という工法でつくられ、石を加工して積んでいるため隙間が少なく高く積めるのが特徴。
天守閣最上階に神社!
天守閣にのぼると、最上階に神社が。
この神社は、かの剣豪・宮本武蔵にゆかりのある神社と本で読み、めちゃくちゃ気になっていた!!!
妖怪からも恐れられるとは、宮本武蔵ってすごかったんだな。
歴史上有名な美女ゆかりのスポット多数
その他にも、播州皿屋敷「お皿がいちま~い」「にま~い」で有名なお菊さんの井戸とかあったり。
徳川家2代目将軍・秀忠と、織田信長の姪(ハイパー美女・お市の方の娘)・江姫の娘として生まれ、血筋と美貌が元で数奇な運命をたどる千姫がお輿入れした際の化粧料(結納金みたいなもの?)で建てられた西の丸とか。
千姫の着物を復元したものが展示されていて、案外お姫様衣装にしては地味と思ったり。
千姫、7歳で豊臣秀吉の息子・秀頼と政略結婚させられる→大坂夏の陣で秀頼没→千姫救出される→イケメン本田忠刻に一目ぼれ→忠刻と結婚→一男一女をもうけるも、息子夭逝→夫も30歳で没→出家など、壮絶な人生だったみたい。美しすぎると封建時代は大変だったんだなと、思いを馳せた次第。
歩いて分かった難攻不落の城
姫路城、場内に入るまでくねくね曲がった坂道を進む上、両脇の壁の穴から槍や鉄砲攻撃され、櫓から石を落とされる仕掛けが随所にあり、自分が攻める側ならソッコー殺られるなと思った。
この仕掛に関しての説明には、城に興味ゼロの夫も興味持ってくれたので、城プレゼンは何とか成功?!
お城観光の服装ポイント
天守閣を見る場合、ほぼ直角な急な階段を上るので、スカートはやめたほうがよいです。
あまりにも階段が急なので、駅の階段をミニ丈スカートの裾を押さえながら上るJKのようなスタイルで階段上ると、まっ逆さまに墜ちてデザイヤー状態になるので、お勧めしません。
あと、スリッパ貸し出ししているけれど階段上るときに脱げやすく歩きにくそうだったので、滑りにくい靴下持参がオススメ。
足元も板張りで冷たいので、冬場は厚手のソックスが良いかと。
姫路名物・あなごを堪能し尽くす!
城に興味がない夫を説得するには、「うまいもん」も重要。
調べてみると、おでん、あなご、明石焼きなどがご当地グルメらしい。
それらをプレゼンしてみた所、夫に刺さったのが、「あなご」。
姫路であなごと言えば、「やま義」さんが有名&人気らしいのだが、予約ができないのがネック。
11時ジャストに姫路駅に到着する身としては、行列に並ぶのはリスキー。
ということで、予約できるあなご人気店、「柊 キュエル姫路店」さんへ。
JR姫路駅からも近く、山陽本線姫路駅からはすぐのキュエルというビルにある好立地。
内装もとても綺麗‼️
姫路名物あなごを様々な調理法で楽しめるランチメニューが充実!
私は「穴子御膳」、夫は「穴子三昧」を発注。
穴子御膳
どーん!
穴子丼、煮穴子、蒸し穴子、焼き穴子、穴子天麩羅、穴子刺身など、穴子尽くし。
穴子刺
穴子のお刺身、初めて食べたけど、淡白でプリッとしてうまい!
穴子天麩羅
淡白だけど身が分厚くてふわもち食感。
食べ応えがすごい。
焼き穴子&蒸し穴子
焼き穴子はぷりっとした食感。蒸し穴子はふわふわで、同じ穴子なのに違う食感を楽しめるのが良い💕
穴子丼
ぷりっ、ふわっ、じゆわっ!な厚い穴子の身にあまじょっぱいたれが絡んでご飯が進むこと進むこと。
かなり満腹になった!
いろんな穴子料理をちょっとずつ食べたい人にオススメしたい一品。
ちなみに夫が頼んだ穴子尽くしは、もっとすごかった。
正味2時間半という駆け足スケジュールであなごも姫路城も満喫。
下調べするときから、旅は始まるのだ。
実際歩いてみると、膝がヤバい位に酷使される坂道&急階段に、戦国の世の人々の体力を実感できたのも、いとをかし。
次の目的地は、神戸の二大王国。
「どうぶつ王国vs洋食王国」編。
辛口夫が満足するのはどっちか?!
です。
つづく