西の果てのミミック 渡會将士
渡會将士がついに小説家に!
FoZZtoneは活動休止だし、最近はソロも追いついていず、すっかり渡會将士離れしていた私ではあるけれど、
渡會君が小説を出すと聞いてとても心待ちにしていた
サイン入りの本を購入するための特殊なサイトでの注文だったからか本代に880円も送料がかかってしまったぞい!笑
で、一気に読んだ
単刀直入に言う
素晴らしかった
ネタバレはしたくないのでストーリーの詳細は書かないけれど長崎を舞台にある作家が港でずぶ濡れの女に出会って、そこからどんどん話は進んでいく
その女のずぶ濡れ事情はきっと女の抱える深刻な痛みやら喪失やら何やかやでそれがゆっくりと明かされていくものだと思っていたらとんでもなかった
長崎の歴史と地理、そこに存在する人々を細やかに時に艶かしく時に恐ろしく描写する
渡會君の筆致における底力は何気なく発揮される
渡會将士よ、貴方はもしかしたらこの先小説家として上りつめるかも
ずいぶん前から渡會将士の文章には強く惹かれていた
その時々の出来事や本人の思いを伝える手段として効果的に語られる言葉はいつもとても瑞々しかった
かつて毎週発表されたFoZZtoneチャンネルでの曲紹介におけるほんの短い文にも独特な言い回しとセンスが光っていた
2013年
Reach to Mars というアルバムができた時、オフィシャルサイトでその世界を小説の形で語った時、私はこの人の書く物語をもっと読みたい!と切に思った
あれから8年が経った
先にも言ったがFoZZtoneは活動休止となり、私はソロ曲をあまり追いかけず、外部活動も積極的にフォローせずにいたら渡會将士がどんどん遠くなっていった
酒を飲みながらのLIVEには抵抗があって半ば呆れてもいた
でも、彼の才能はこのまま中途半端な評価で終わるなんて辛い、辛すぎる!とどこか思っていた
くさくさした気持ちで過ごした日々もあっただろう
自分のやりたいことが何なのか、今も模索しているかもしれない
けど、あなたはやっぱり才能の塊だ
物語を最後まで読むと初めに戻って確認したくなる
あぁ、たしかにそうだった、そうだったのか、と。
そう思えた、そんな小説がとても好きだ
実は夫が私より先に読んでいる
一言「わっち、凄いな」と言った
私も読み終わってその通りだと思った