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公務員の私がPRプランナーを取った理由

気付いたら3月も第1週が終わってしまった。2月から3月にかけては公務員は議会の季節ということもあって、あっという間に時間が過ぎていく。これから3月末に議会が終わったら次は異動の内示、怒涛のように4月から新年度だ。

そんな忙しいさなか、かつての上司(と言っても同じ部内にいる)に用事があって話していたら、話の流れで「YOUTUBEの再生回数が上がらないのはなぜなのか?」という質問をされた。うちの仕事場はとある首都圏の自治体の観光部門なのでPR向けの動画はたくさんある。その中で最近外国の方向けにアップした動画のYOUTUBEの再生回数が上がらないことが一部で問題になっているらしい。そのサイトはウェブサイトにはめ込まれている動画なので、サムネイルで再生されてもサイトの方にタグを埋め込んでないとYOUTUBEの動画の再生回数にカウントされないのではないか、と言っておいた。

なんで自分にそんな話を聞いてきたのかは謎なのだが、一つにはこの上司の部下時代に自分がとあるPR動画を作ったこと、もう一つには昨年度PRプランナーの資格を取ったことを知っていたからだと思われる。

PRプランナーとは広報系の資格である。詳細はこちら↓

今年度はコロナ禍の影響で試験が中止になっていたが最近試験を再開したようだ。自分は2019年の3月の1次試験から受け始め、幸運なことに2020年1月の3次試験に無事合格し、PRプランナーの資格を取ることができた。

この資格について、以前、仕事で中小企業の海外展開支援の担当をしているときに、同じ部署にマーケティングやブランディングなどに詳しい方が多く事業で使う海外向けロゴを作る場面に遭遇し、PR(パブリックリレーション)に興味を持ったことがきっかけである。その時作ったロゴやそのレギュレーションを使ってパンフレットを作成する仕事を一緒にした人がこの資格を持っていて興味を持った。

実際に試験勉強をしてみて、PR広報の歴史やマーケティング、コミュニケーションなどの理論を体系的に学ぶことができた。さらに役人の自分に一番縁が遠いIR(インベスター・リレーションズ、企業経営や投資家向けの広報)なども学べたことも良かった点の1つである。また、役所の記者クラブについてもその歴史や役割についても学んでいたので、今年度実際に記者クラブのブースを回るときに少し役立った。

知識の面だけでなく、今の観光の仕事にも基礎素養として役立っている。メディア環境の状況なども学ぶので、自分の事業の広報の仕方をどうするか上司他に説明するときにメディアの特徴や効用など論理的に話せるようになった、と自分で思っている。(役所の上の方々はYOUTUBEの件でもわかる通り、PR広報やメディアを使ったコミュニケーションを体系的に習得していないので、「なんとなく」で色々言いがち。それが余計な担当の仕事を増やしてしまっている現状は、悲劇としか言いようがない。)

公務員の仕事は「究極のサービス業」であると自分は思っている。これは入社時の研修でとある講師が話していて成程なぁと思い、自分の仕事の基本的なスタンスになっている。サービスを提供しているからには、そのサービスが必要な人のところに情報を届ける必要がありそれが行政広報だ。昔はは自治体の広報誌等に掲載すればよかったのかもしれないが、今やメディアの環境は激変し、紙媒体だけではどうしようもなく、ウェブサイト、SNS等様々なメディアが出てきている。必要な人に必要な情報を適切に届けられるよう、PRや広報の基本的な考え方や理屈、理論を抑えて、どのメディアでどの層向けに何の情報を展開していくかを役所も考えなければならない時代になってきていると思う。そのような仕事をする場合に、このPRプランナー試験で培った知識はとても有益だ。

また、この資格を持っていることを名刺などに書くことで、この人は広報PR関係の一定の知識や実務経験があるという証明になる。自分の所属する観光部門は観光客向けのPRや広報に近い仕事が多いので、そのような業務を受託する事業者に接する機会が多いのだが、この資格を持っていることでその事業者の持つ能力に頼りっきりにならず同じレベルで話ができるようになる、気がする。

自分がこの資格を取得してまだ1年足らずだが、自分の担当事業がつい最近バズったことで広報やメディア掲載関係の対応をする機会が増え、ここで培った知識は早速仕事の中でも役立たせることができた。ただ、広報計画を作るようなダイナミックな仕事はまだできていないので、そろそろそんな仕事ができる部署に異動したいなぁと考えていたりもする。

まだまだ駆け出しの公務員PRプランナーな私。これからもう少し色々な実務を経験して、行政の視点からこの分野を語れるような経験と知識を付けたいところだ。

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