私が創業した5月26日とベルナールさん
ベルナールさんはモスクワのとあるEU諸国の大使をされている方、彼と出会ったのは2023年2月の在ロシア欧州企業のパーティ。外交官として日本にも勤務されていたよと、ジュネーブで同窓のドイツ人知人から紹介を受け、それだけなら日本の文化や感じたことなどありきたりの立ち話で終わる程度なはずだが、なぜかこの2年ほど親しくさせていただいているのか。実はイラン。私のイラン好きもそうだが、ベルナールさんもかつてイランで勤務し、オーストリア人外交官の奥さんともイランで出会い、それ以降の彼のキャリアもイランでの経験が生きているという。実際彼と話すときはほとんどイラン話で盛り上がるほどです。
私のイラン銅食器は基本日本に住む日本人対象しているが、以下の理由があってベルナールさんは例外。そもそも私もこの銅食器プロジェクトを創業したのは2024年5月26日で、実はこれはベルナールさんの63歳の誕生日。ほかの候補日もあったのだがベルナールさんの人生にもイランが関わっているこことも大きい。今から2か月前の5月といえば私も公私ともに様々なトラブルが立て続けに起こっていた頃で正直イラン銅食器どころではなかったほど。それでも少しでも前進しないとと思い、今しかないと思ったのが5月26日。記念すべき日にしたいこともあるけど、こう思い立たないといけない日だってあるものだ。
ベルナールさんは外交の生え抜きではなく元々原子力が専門の方だし、兵士としてもユーゴ紛争も経験しており、現在の口先だけ理想だけのEUには正直懐疑的。2022年からのロシア・ウクライナ情勢も、2023年からのイスラエル・パレスチナ情勢も、人権と民主主義、気候変動、コロナウィルスもその他も考え方は私と同じだ。それに懐疑的になったのはやはりユーゴ紛争もあるのだが、決定打になったのはイランという全く価値観が違う世界で勤務したことが大いにあるというのは私も同じ。2009年からスイスで研究と勤務をしていて「何だか違うな」と同じ方向しか向いていない論文やデータしかないウクライナをテーマに修士論文を書いている時にモヤモヤ違和感を感じていて、2011年に初めて訪問したイランで納得したことと同じ。
ロシアへの(西側)経済制裁は2022年からだが、イランには1979年のイラン・イスラム革命以来なのでなんと50年も西側が制裁をし続けている。イスラム教もあってさぞ怖い国で過ごしにくい国だと思いきや、意外と緩やか。規律もない西側的な自由とは違う自由があるし、性やアルコールに厳しいイスラム教があるからこそもっと男女問わず人間としての友情を深められたり(←これは私もすごく納得しています、イスラム教圏の友人の方が多く深いところで通じ合える関係ですね)、今のロシアもそうですが西側資本主義が限られているからこそ国内生産国内消費が盛んで経済が他国の搾取にとらわれない独自スタイルなど。こういうのって本当に二か国ほど経験しないとこの世去って分からないんですよね。その意味で私もベルナールさんも、年齢も国籍も違いますが、ロシアとイランを経験できてそしてそれが共通点になって友情として結んでくれて、まさに人生の大きな糧です。
日本、中国、韓国も外交官として勤務されていたベルナールさん。原子力の専門だったからこそ広島、長崎、そして福島についてもあらゆる面から知っており、いつかは沖縄で遺骨収集も行いたいとのこと。実は私も昨年12月に沖縄訪問して以来、ずっと気になっています。