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ショートショート16 たぶん好きだから罪悪感を感じてる。
いつもは早足だけど今日だけは時速を下げてみる。
もうちょっと散歩しませんか?って口で言うか迷う。
言えないのも分かってるけど、言うギリギリまで迷ってみる。
他の用事でまた来週会えるのを言い訳にする。本当は帰りたくないけど、一緒に居ても何を話したらいいか分からないから、なにも言えなくなる。
ちょっと間が空いたり、うまいことが言えないと、とりあえず今の時間だけはその場を埋めるだけの言葉を並べてみる。
だけどやっぱり話を合わせる自分の浅はかさに吐き気がする。もし仮に、「そのままでいいよ」って言われてもそんなことできないのも分かってる。自分の思想にあの人が私をみているっていう視点が入ってしまうから。
それにしても自分がこちら側になってみると痛いほど気持ちが分かる。だから必死でとても痛々しい。でもそんな自分を客観視なんてできるわけないじゃないか。
仲良くなりすぎると、友だちの枠組みを外せなくなるし、とか言ってみる。まあたしかにそうではあるけど、これも一瞬の言い訳。でもこのぎこちなさも第一歩。最初はぎこちなさから。だからはじめは同じ空間にいられただけで褒めてあげなきゃいけない。
そんな私の思想はいつも穴だらけで、できる全てとその場で許されうる時間の全てを使っても、貴方には足りない。
私はいつもあんなにも頑固なのに、今日も明日も明後日も自分の持ってる思想とかそれら全部を投げしてていいと思う。
これら思考を全て捨ててでも貴方の思考に染まっていたいのです。