好きなことをやらせてあげたい

いつものカフェで作業をしていると、少し疲れた様子の老婦人が1人入って来た。

隣駅に住んでいて、郵便ポストを探して歩いていたら、随分遠くまで来てしまった、と。

その老婦人は、とってもお話し好きでチャーミングな方で、カフェのマスターが忙しそうにしているのに気づいているのかいないのか、ひたすら話しかけていた。

そんな姿がすごく愛おしくて、私は少し離れた席にいたんだけれど、老婦人の話が気になって仕方なかった。

老婦人は店内に貼ってあった演劇のポスターに関心をもったようで、いろいろマスターに問いかける。

その貼ってあったポスターはマスターのお姉さんが出演しているものだったようだ。

それを聞いた老婦人、

「私の息子も昔演劇の道に進もうとしていてね。でも、断念してしまって。今思うと、人生は一度きりだから、好きなことをやらせてあげられればよかったなぁ。」って。

それを聞いた瞬間、すごく胸を打たれた。

なんて素敵な考えなんだろう。

今私が好きなことをやって生きて行こうとしているから、余計に共感が持てたのかもしれないけど、果たして自分が親になったときにそれほど寛大な気持ちを持ってあげられるだろうか。

いや、持ちたい。

好きなことをやらせることは、自分で考えて、自分で決断して、自分で背負っていくこと。

世の中には明らかに踏み外しちゃいけない道ってのがあるから、そこは間違えそうになったら正してあげないといけないけど、それ以外は、人生に正解なんて無い。

その人がその人らしく輝いているかどうかが重要なんじゃないかな。

いつか子育てするときがきたらそんな寛大な心が持てるよう、私自身も余裕を持たないといけないなって思いました。

人との出会いって、やっぱり面白いね。

いろんな考えの人がいるから、すごく勉強になる。

老婦人との偶然の出会い、とても暖かい気持ちにさせてもらいました。

サポートしてくれると嬉しいな:)