なぜ、在庫は増え続けるのか?

現状の課題

なぜか在庫が増え続けるという課題を抱えていた。できれば在庫は増やしたくない。でもどうしたらいいのか分からない。そんな状態が長く続いていた。

in-out-在庫は三位一体

なぜ在庫は増え続けるのか? 西順一郎先生の教えに「誰も在庫を見ていないから」というシンプルすぎる答えがあった。さらに「in-out-在庫は三位一体」という考えかたを知った。

在庫は見ていたつもりだが、入荷(in)と出荷(out)、そして在庫の関係を三位一体として捉えていないことに問題がありそうだ。

そこでMTを使って、日々の「in-out-在庫」の関係を見える化してみることにした。

↓  ↓  ↓

G12番の両軸グラフを使用。在庫は棒グラフ、in-outは折れ線グラフ指定。

「in-out-在庫」の関係を見える化(過去1年分)

発注のクセに気づく

グラフにしてみて、かなりの衝撃を受けた。三位一体どころか、それぞれが独立して、好き勝手うごいている(暴れている)ように見える。

まず、日々の出荷量(赤)に対して、在庫(青)が多すぎる。在庫がほぼ寝ている状態。発注(黄)のタイミングにもムラがある。同じ量を発注し続けるという「発注のクセ」も見つかった。

なぜ、同じ量を発注し続けるのか?今までそうしてきたから。なんとなく。感覚で。明快な答えはない。(ちなみにスケールメリットはありません)

とにかく、このままではダメ。どうにかしなければ…!

未来をシミュレーション

まずは過去の出荷実績から、ざっくり未来予測をしてMTに入れてみた。そしてこのまま発注を続けるとどうなるのかをシミュレーションしてみた。

在庫がじわりと増え続け、1年後にはとんでもないことになることが分かった。

in-out-在庫の動きを意識する

発注の仕方に問題があることが分かったので、発注のタイミングを見直すことにした。まずは取引先様に納期の相談をした。1週間で納品できるとのことだったので、少なくなってからどーんと発注するのはやめにして、10日ごとに小さく発注することにした。そしてin-out-在庫の動きをグラフで追いながら、発注量を微調整していった。

少ない在庫で回していけるのか最初は不安でいっぱいだったが、2ヶ月ほど運用してみて、今のところかなりうまく回っている。ビフォー・アフターは以下の通り。

ビフォー・アフターのズームイン!

在庫が半分に!

in-out-在庫が集合して三位一体を感じるグラフに変化した。

好循環が生まれる

こまめに発注するので取引先様が大変喜んで、ある作業をサービスしてくださることになり、結果コストダウンにつながった。そして私は、10日ごとに在庫が補充される安心感を得て、在庫減によるキャッシュフローの改善につながり、在庫切れも起こさないという好循環が生まれた。

三位一体の視点を持つだけで、こんなに変わるとは…!在庫だけでなく、いろんなことに応用できそうな予感。これからも小さな改善を続けていきたいと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

最後に

三位一体の視点を持つことの大切さを教えてくださった西順一郎先生をはじめ、諸先輩方にたくさんの助言や改善のヒントをいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

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