うまくトラップできなかったよ
高校時代の、わたしのクラスは、まとまりがなかった。
でも、一致団結することもある、そんなクラスだった。
ロングホームルームで、体育館やグラウンドを借りて、スポーツをやることも、好きなクラスだった気がする。
ある日、グラウンドを借りてサッカーをやった。
ゆるいサッカーであった。
ほとんど記憶にないけれど、ひとつだけ、わりとハッキリ覚えているシーンがある。
話は変わるが、サッカー部はチャラいと思っていた。
サッカー部に所属しているクラスメイトとは、ほとんど交流もなかった。
(そもそも、男子と交流することが、ほぼ、無かった)
だのに。
ロングホームルームでの、男女混合お遊びサッカーの時。
急に
サッカー部の、わりとお洒落ボーイだったU君が、
わたしに、フワッと浮いたパスを回してきた。
ボールはゆるいアーチを描いて、わたしの胸に当たったのか、お腹に当たったのか、その辺の記憶は曖昧だけれど……
とにかく、どうして、そんな難しいパスを、わたしに回してきたのか。
当時サッカー部に所属していたU君は。
わたしはビックリして、ちょっと怒ってしまって、なんのリアクションも取れなかった。
ボールは点々と転がって、どこにいったのかも、よく思い出せない。
そのことが、四半世紀を経た今も、心のかたすみに、引っかかっているのだ。
U君は、今もオシャレなんだろうか。
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