一生よりも大切な5分がある。モテモテ爺がカッコイイ「世界最速のインディアン」
こんばんは。みき☆たにしです。
俳優のアンソニー・ホプキンス氏をご存じだろうか。
「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「レッド・ドラゴン」
恐怖(狂気?)の三部作の主役ハンニバル・レクターの印象が強いことだろうと思う。筆舌につくしがたいオッカナイ人物だ。
(実はまだ「羊たち~」だけ見てない……)
そんなアンソニー・ホプキンスの笑顔と根性が印象的で、実に味わいの深い映画。
「世界最速のインディアン」を観た。ほんとうに、痛快な映画でもある。
世界最速のインディアンとは
1000cc以下のバイクの世界最速記録保持者バート・マンローの実話に基づいた作品。もちろん映画作品としての味付けがされているので、完全なノンフィクションではない。(ウィキペディア参照)
世界記録更新を目指し、ニュージーランドからアメリカへ渡ったマンローが、数々の苦難を乗り越えていく様が、ほんとうに気持ちがいい。
しかも、気が付くと、ひたむきで真っすぐな彼に、まわりがみんな巻き込まれ、しかも、笑顔になっていく。困ったらすぐに素直に助けを求められるというのも、たぶんマンローの「年の功」なのだろう。
これがもし、10代とかの若者だったら、まったく別の青春ロードムービーになっていただろう。
経験を重ねたジイチャンがバカなことをやる。この映画の良さ、面白さは、ここなのだ。
ジイチャンのモテモテ伝説
まずニュージーランドで、女性を口説くシーンがあるのだが「イエスと言ってくれ、いいね」って最初に言っちゃうの、いいよなぁ。ズルい。
渡米したらしたで、まずモーテルの受付をやっているニューハーフにモテる。
道中でトレーラーのタイヤがぶっ飛び、困り果てていた時に出会った未亡人の女性(なかなかハンサムな老女)ともいい感じに。
翌朝に、「君のせいで背中が痛いよ」なんてことを言っていた。もう♡
さらにスピードを競う会場でも、若い女の子にモテモテ。
若いイケメンがモテるんだったら、
「あぁ、はいはい。そうですね。わかりますわかります」
ってなるけど、
酸いも甘いも噛み分けたジイチャンが、同じくらい噛み分けたバアチャンと「さらっとした大人の」関係を持ったり、かと思えば、若い子にキャッキャされてニコニコしたり。そんなシーンは「やるね!グッジョブ!」と思ってしまう。
好きなシーン①
若い走り屋との絡みのシーン。若造がイキり、ジイチャンが余裕をかまし、年齢を完全に無視した本気の勝負をする。
そういうシーンがほんとうに好きだ。
その勝負でジイチャンは負けるのだが(カーブで曲がり切れず)、ジイチャンが渡米するとなったら、若者は気持ちよく応援するのだった。
よきライバル感。こういう人間関係、いいなぁ……。
好きなシーン②
ご近所の大人はマンローにキツイことを言う……けど、その家の少年とは仲良し。ジイチャンと少年はなぜか、通じ合えるものらしい(いや知らんけど)
ジイチャンが、少年に、こっそりと「よく切れる肉切包丁をもってきてくれ」と頼む。
少年は、母親に黙って、こっそりとキッチンから包丁を持ち出した……つもりだったのに、そのあとで、母親が迷わず来るのだ。
「マンローさん、肉切包丁を返してほしいんだけど」
でも結局、この大人たちもマンローの応援をしてしまう。マンローの騒音に困らせられながらも、だ。
好きなシーン③
とにかく、みんながマンローを応援したくなる。旅立ちでも、道中でも、出会った人の心をつかみ、笑顔にしてしまう、マンローの魅力。
そして、みんながマンローを応援する。
悪役というのが、ひとりも出てこない。
最初は「え?むり」とか言って、突っぱねていた人たちも、結局、最後には全力でマンローを応援しちゃっているのだ。
そんなシーンが多い。ほんとうに、気持ちよく楽しめる映画だと思う。これはエンターテイメント作品だ。
まとめ的な
「一生より大切な5分がある」と彼は言った。そんなふうに、ひたむきに夢を追いかけられるのは、素晴らしいし憧れる。
若者の無鉄砲ともいえる「命がけ」とは、また違う「ここまで生きたんだ。もう惜しくはないさ」みたいな「命のかけ方」。いい意味での「投げやり」。人生のサジ加減を知っている感じだ。
どこまでも、まっすぐな瞳が印象的であった。
個人的には、ジイチャン・ロードムービーつながりで「ストレイト・ストーリー」との二本立てで観る、というのも、味わいがあって良い気がする。
今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました!
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