さつまいもと夕焼けの思い出
こんばんは。みきたにし☆です。
今夜は、さつまいもの思い出を少々……。
さつまいもの思い出①罪
「さつまいも」という言葉で、私は祖母を思い出します。祖母はたいそう、私を可愛がってくれました。
祖母は毎年、夕顔をぐるぐると向いて乾かし、かんぴょうを作ったり、さつまいもを蒸かして薄く切って、干し芋を作っていました。
私が小学生だった、ある日のこと。友人が私の家に遊びに来ました。私は友人をさそって、祖母が蒸かしたサツマイモをおやつに食べてしまいました。
食べてしまった後、私は「食べました」と祖母に言うことができず、残ったサツマイモを部屋に置きっぱなしにしていました。気が付いた時には、カビが生えていました。
それらは、祖母が、干し芋を作ろうと思って蒸かしたサツマイモでした。子供だった私は、それを盗み食いしてしまったわけです。
たぶん、祖母も、サツマイモがなくなった理由を察していたと思います。
でも何も言われませんでした。
いまだに、忘れられないのは、あの時、胸にチクリと刺さった罪悪感のせいだと思います。
さつまいもの思い出②夕焼け
私の実家は専業農家でした。畑がいくつもあり、出荷用の野菜を作る傍ら、自宅用の野菜もいろいろと作っていました。
ある日の夕方、私は祖母とふたりでサツマイモを掘っていました。ツルを引っ張ると、土の中から、よく育った芋が、ごろごろと顔を出します。その様子は、本当に、楽しかったです。
うまく引っ張り出せると、祖母が褒めてくれるので、私は嬉しくなって芋を掘りまくりました。
ふと顔を上げると、眩しいばかりに輝く夕日が、山のてっぺんに落ちようとしていました。
その光景が美しかったこと。私の記憶に焼き付いて、今もサツマイモとセットで思い出します。
おわりに
祖母が倒れ、入院した時、私たち兄弟は、病院にお見舞いに行きました。祖母は眠ったような顔をして、ただその腕だけが何か仕事をしているみたいに、ずっと動いていました。
祖母は戦時中に生まれ、終戦の頃、空を戦闘機が飛んでいくのを見たと言っていました。
祖母の顔で思い出すのは、微笑んでいる表情ばかりです。
ただ、私は出来のいい孫ではありませんでした。
今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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