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カナダで看護師:一般病棟のリーダーの役割

同じ病棟で5年も働くと、その病棟ではかなりの経験者となります。
Medicine病棟(日本でいう一般病棟のような感じ)という、一般的には忙しい病棟なので、ナースの入れ替わりも激しく、あまり残る人がいません。
私は日本での看護師経験があり、カナダでは忙しいといっても休憩は十分取れるし、私の中での忙しさの定義が他のナースと全く違うこともあり、非常にリラックスして仕事をしてます。
夜勤も肉体的には大変だけれど、仮眠時間もあるし、周りのナース達がいうほど負担ではないんですよね。
それだけ日本のナースの業務量が多いと思うと複雑な気持ちではありますが…。

5年働いていると、ある程度、入院してくる患者さん達の病状にも慣れてくるし、他のスタッフより知識も増え頼られることも多くなり、リーダー業務を任されることが多くなります。
私みたいな英語力でよく務まるなと思うこともありますが、知識や技術、思考力などで評価されている部分も多く、英語力は最低限でもなんとかなっているようです。

さて今回は、カナダのMedicine病棟でのリーダー役割を紹介します。
夜勤では基本的に私が一番上となるので、毎回リーダーをやります。
日勤は、リーダーだけをやる看護師が二人いてローテーションしているのですが、そのリーダー看護師たちが休暇などで休みをとっている時に、代理で私がリーダーをやることになります。

夜勤

  • スタッフナースと同じ数の受け持ち患者を持つ。うちの病棟は受け持ち人数 5−6人だが、リーダーは基本的に5人。

  • 受け持ち患者のバイタルサイン測定、アセスメント、投薬、ケアは担当看護師として実施。

  • 空きベッドがある場合は、入院調整スタッフとやり取りし入院を受け入れるかどうか決定する。その際、依頼された患者がMedicine病棟に適しているかなどを判断する。

  • 患者が脳梗塞を起こしてストローク病棟に転棟が必要なときなど、患者さんの入退出の調整。

  • 時間外アドミニストレーター(日本でいう管理師長みたいな人)とやりとりし、夜勤中のスタッフの調整と、次の日のスタッフの調整。次の日のスタッフが足りていない場合、必要なスタッフ人数をきちんとアドミニストレーターに伝えておかないと、次の日に病欠のスタッフの補充がもらえなかったりするので、結構重要。

  • コードブルーがあればコードブルーチームと協力しながらスタッフに指示をだす。

  • 患者さんが暴力的になった場合、コードホワイトをかけてコードホワイトチームを招集するので、その際もコードホワイトチームとやりとり。

  • 患者さんがいなくなってしまった場合、時間外アドミニストレーターとやりとり。院内で見つからなければ、警察に連絡を取ったりする。

  • ファイヤーアラームが鳴った時は、ルールに従いリーダーとして他スタッフへ指示。

ファイヤーアラームやコード類は毎回あるわけではなく、私は当たらない方なのであまり忙しい夜勤は経験しませんが、こういう非常時の時にリーダーとして振る舞わなければならないのは、リーダーをやり始めたまだ慣れない頃は大変でした。
でも同僚達にはいつも恵まれており、困ったら相談したり、お互いチームとして協力しながら働いています。


日勤平日:リーダーの役割は夜勤の時とは異なる

  • 受け持ち患者は受け持たない

  • 急性期病棟という性質上、入退院の回転率をあげなければならないので、どの患者が退院できるか、という目的において他部門と調整。午前中に、薬剤師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカー、栄養士、言語療法士、地域へと繋げるホームケア担当スタッフとラウンドを行い、患者情報の共有と、何が退院への障害となっているか、それを解決するためには、などの話し合い。(ラウンドも始めの頃はかなりストレスでしたが、こういうのはほんと慣れです)

  • 医師達に連絡し、患者さん達が退院できる状況なのか、まだ治療や観察が必要なのかなどを確認。

  • 患者さん達が自宅ではなく、リハビリ病院、ホスピスなどに退院する場合の申し込みフォーム記入等の書類作成。

  • 入院調整看護師とやりとりし、ベッド調整。新たに感染がわかり個室が必要になる患者さんの部屋調整。

  • 夜勤のスタッフの受け持ち患者を決め、スタッフが足りない場合は病棟看護師長とやりとり。

  • コードブルー、コードホワイトなどがあればリーダーとして関わる。

平日日勤のリーダーは看護師として働くというより、マネジメント色が強くなります。
個人的にはベッドサイドナースとして受け持ちを持つ方が精神的には楽です。

こうやって書いてみると改めて、これ全部英語でやってるなんて信じられないなという気分です。

海外で看護師というと凄そうな感じはしますが、日本でやってる内容とそこまで変わりはないし、英語は何とかなります。
日本以外の場所で英語を使って看護師として働きたいと考えてる方、とにかく目的を定め一歩踏み出してみることが大切だと思います。
頑張ってください。



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