#スポーツを止めるな2020
#ラグビーを止めるな2020 に始まった、スポーツ界でのウェーブ「#スポーツを止めるな2020」。各スポーツで活動が活発になる中、スポーツ横断のイベントが行われました。
#スポーツを止めるな2020 とは
新型コロナウイルス感染拡大の「緊急事態宣言」があり、2020年春以降の学生(小学生~大学生)のあらゆる大会、試合がストップしました。目標にしてきた試合がなくなることは、モチベーションが下がることでのスポーツ離れ、これを機に競技を辞めてしまうかもしれない、リスクがあります。
さらに、試合が次のステージに上がるためのアピールをし、リクルータや監督に見てもらうチャンスでもありました。アピールチャンスがなくなれば、「全国的にはあまり知られていない名選手」が埋もれてしまいます。
それを救済しよう、と最初に立ち上がったのがラグビーです。#ラグビーを止めるな2020 は、こちらを参照ください。
イベント #スポーツを止めるな2020
ラグビーに端を発し、様々な協議の「xxを止めるな」が展開されています。その発起人や指導者が一堂に会したパネルディスカッションとして、一般社団法人スポーツコーチングJapan(SCJ)主催で、 #スポーツを止めるな2020 が開催されました。
残念ながら一部しかライブ参加できませんでしたが、開催後にYoutubeで参加しました。パネリストの熱い思いがあふれ出る1時間半でした(Youtubeでの配信ありがとうございます!!)
本noteの特性上、感想がラグビー寄りであることは、お許しください。
印象に残ったこと① 戦略的に展開したお話
TwitterというSNSでも140文字+メディアという軽い媒体で、かつ軽ーい感じで始まった #ラグビーを止めるな2020 ですが、スタートダッシュで爆発させて一気に加速させるために準備がされていた、という裏話がありました。
(野澤さん)
コロナは誰も経験したことがないので、走りながら考えることを最初にメンバーで決めた。
(投稿への行動は、野澤さんが細かく行った話から) 始めるときに、高校120校以上、リクルータ40-50人に連絡した。桐生第一の霜村先生が挙げてくれて、2時間後くらいにLINEで「もうオファーがありました」と連絡があった。開けても「どうぞ」だと来ないと思う。
(廣瀬さん)
最初の動き出しが大切だと思ったので、五郎丸選手や最上さん、選手会とムーブメントを作りに行った。
(野澤さん)
既成事実を作る、やってから怒られるパターンのプロジェクトだと思っている。今でもビクビクしながらやっている。(笑)
走りながら考える、と言っても最初にビッグバンを起こす戦略をもって取り組まれた、ある意味「仕組まれた」プロジェクトでした。かつ中心メンバーが自分の得意分野で力を発揮したため、効果を増大でき、成功に導きました。
印象に残ったこと② 自分の夢を自分でつかむ力をつける
#スポーツを止めるな2020 は、高校生プレーヤー(他、プレーヤー)から見れば「自分のプレー動画を、リクルータが見ることで、自分に興味を持ってもらうことを通じて、自分が大学・トップリーグでプレーする機会を得る」わけです。
とすると、多数ある動画から自分を見てもらう工夫が必要になります。そのために「強みを探す」「アピールの仕方を考える」「周りを巻き込む」ことを自分でする必要があります。
(宮田さん@バスケ)
コロナに関わらず、チャンスは平等でない中で、プレーを見てもらう、自分を知って伝えて、周りを巻き込むなど、受け身ではなく能動的な力を身に着けることが、スポーツを続けること、それ以外にも大切だと思う。
この力は、この活動だけではなく、例えば組織の中で自分ががやりたいことをやるために必要な力。活動を通じて、社会で生きる力を育成することができます。実際に、選手自身に動画を編集させることで、育成している高校もあるそうです。
印象に残ったこと③ SNSのリテラシー
近年のSNSでの情報拡散、個人情報の流出の怖さから、「SNS」禁止という高校も多いようです。そうでなくても、特に、元・バレーボール日本代表大山さん自身が「厳しい」というバレーボールにおいては、動画をUPすることの不安(怒られないか、など)があるそうです。
吉田さん@ハンドボール
学校ではSNSの怖さを伝えるので、最初にそこがハードルになる。それが、この活動の流れを遅くさせているのだと思う。個人情報を載せるハードルはある。影響力のある使い方を勉強してほしい。
(中略)
SNSはハッシュタグで全世界に飛ぶので可能性を秘めてくれることを伝えたい。
昨今、芸能界でもSNSの影響による大きな事件が起きています。確かに恐ろしい側面はあるけれども、「どう付き合っていくのか」を学び、使ってほしいと思います。
#ラグビーを止めるな2020 の成功の理由
新型コロナウイルスの影響で活動ができないのは、ほぼすべてのスポーツで共通です。その中で、なぜラグビーが先駆し、かつ成功しているのか?
(ここからはラグビー好きの贔屓目、120%に私見です。)
①全員にキャプテンシーが求められる競技特性
ラグビーは、キャプテンを中心に選手自身が試合を進めます。試合では、監督は、観客席の中に設置された監督席・関係者席にいます。無線でウォーター(給水係)たメディカルを通じて指示を送ることはありますが、プレーを決めるのは、ゲームキャプテンを中心とした選手です。
そのため、選手自身が判断し行動することを身に着けているラグビー選手は、「誰かに何か言われるかもしれない」よりも「大切なこと」を優先します。この非常時にラグビーに関わる人が持つ力で、自ら判断して、行動できたのでは と考えます。
②「誰が」やるのか(その1)
最初に問題提起をされた、野澤さんは、「ビッグマン・ファストマンキャンプ」など、JRFUの中で若手を発掘・育成する役割を担っています。
春の試合がなくなって、多くのリクルータから電話があった。「いいCTBいないか」など、連絡があった。一方で、高校の先生も困っていた。いよいよ選手を売り出す「みてください」の時期で、困っている話を聴いた。
両者を結びつけることを考えないといけないと思った。
最初に問題に接したのが、野澤さんだった、と言うのは偶然にしては良くできています。自ら動く野澤さんが自ら引き寄せた問題(テーマ)だったように思えます。
③準備の習慣
その後は、野澤さんは推進メンバー5人を厳選します。高校・大学とつながりのある野澤さん、選手とつながりがあり、影響力がある廣瀬さん、メディアを熟知し発信できる最上さんなどでインサイドを固めます。
その上で、各自の強みを生かす準備を仕込み、さらに周囲を巻き込むように戦略的に動いたことが、最初のビックバンに繋がりました。さらに、バスケットボールを巻き込み、#バスケを止めるな2020 も同時に発表。話題作りをしました。
この戦略、戦略に従った準備は、ラグビーワールドカップ2019で盛り上がった日本ラグビーのようです。
④「誰が」やるのか(その2)
インサイドメンバの5人は、多くの人を巻き込みました。その中でも、大きな盛り上がりを見せた要因は「トップアスリートを巻き込んだ」ことにあります。ラグビー日本代表のレジェンドである五郎丸選手や堀江選手が、自分のプレーにコメントやリツイートをくれる。それは、動画をUPする側に大きなモチベーションを与えました。他の競技よりも #ラグビーを止めるな2020 が盛り上がる理由がここにあるのだと思います。
後記
#ラグビーを止めるな2020 に始まり、各スポーツに広がりつつある、 #スポーツを止めるな 。次の進路が大学であるラグビー、実業団であるハンドボールやバレーボールなど、スポーツによって高校3年生の状況は異なります。団体競技と個人競技、監督の関与具合なども違います。だから、全てのスポーツが「動画をUPして、スカウトを待つ」方法がいいようには思いません。
ですが共通するのは、#スポーツを止めるな2020 を通じて「自らの力で夢を引き寄せる」行動は、行動した人を確実に成長させることです。それは、動画を上げる人だけでなく、それを応援する人も、です。
(野澤さん)
見た人はハッシュタグをつけてUPして。利他の心をもって貢献することが大切だと思う。主人公になって本気で考えることだと思う。しあわせになるゴールに向かって考えていくことが大切。#スポーツ止めるな2020 のスタートになればうれしい。
私も「応援する人」として、noteを通じて発信します。
SCJさん、パネリストの皆さま、ありがとうございました。