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日本ラグビーにおける地域格差とは

日本は大きな国ではないが、縦/横に広い、人口分布の斑=差が大きいことで地域による差や特徴がある。例えば学校で一度は習う「一票の格差」その例だ。
ラグビー界も例外ではなく地域格差がある。ここでは「ラグビーをプレーする環境の格差」に関する記事をご紹介する。

日本の子どもたちのプレー環境

日本で子どもたちがラグビーをプレーする環境は限られている。
時世もあるが、その前から「近所の子どもたちと」「学校で昼休みに」と手軽にできるものではない。幼少期~小学生がはほとんどがラグビースクールに入団してプレーをする。中学生になるとラグビースクールは数が少なくなるが、部活動でラグビー部がある学校がある。高校生になるとほとんどが学校の部活動でラグビー部を選択して活動する。

日本で行られるラグビーの多くは世界的には「ラグビー・ユニオン」と呼ばれる15人制であり、中学生が15人制相相当のプレーをするU-15では12人と決まっている。試合をするためには30人、U-15でも最低でも24人が必要だ。
チームの人数、指導者(指導者の多くがボランティアで活動している)の不足、場所がない等複数の要因があり、ラグビーをプレーする限られた環境は、日本国内どこにでもj潤沢にあるわけではない。その偏りがラグビーにおける地域格差につながっている。

ラグビースクール(ラグビーができる場所)に関するデータ

ラグビースクール・高校の部活動のラグビーに関するデータは、小平さんのnoteが詳しいので紹介したい。

ラグビースクールが多いのは、関東では東京・埼玉・神奈川、関西では大阪・兵庫、そして福岡だ。一方で山陰地方や四国地方は1ケタ台前半のスクール数であり、県内全域を網羅はできてないだろう。

2019年に行われたラグビーワールドカップ2019™日本大会で盛り上がったのちにラグビースクールに入会を希望する子どもが増えたため、多くのラグビースクールが嬉しい悲鳴を上げたと聞く。人気が出る一方で、スクールは簡単に増やせないため「ラグビーをやりたいのに環境がなくできない」ことが増えたと予想される。

高校ラグビー部に関するデータ

高校ラグビー部が目指す全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」の予選参加校で見てみる。こちらも前述の小平さんの記事を紹介する。

高校のラグビー部を花園への予選出場校から見ても地域による格差が大きい。最新である2021年度の第101回大会では、最多出場が東京の52チーム(52チームを2つのブロックに分けて2校出場となる)に対して一番少ないのは島根県の2チームである。2チームということは県大会初戦=決勝である。15年以上1試合のままの花園予選が続いている。今年も石見智翠館高校は31年連続31回の花園出場となった。

小学生でラグビースクールでラグビーを始めても、中学生、高校生に進級するにつれて、自分の住む地域にラグビー部がないためにラグビーを断念する選手も多い。光る才能や恵まれた身体能力があっても、たまたま自分が住んでいる場所にラグビーをする環境がない選手の多くが道が閉ざされる。

格差を改善する、全国の子どもに機会を与えるために活動する人たち

ラグビーにおける地域格差は、ラグビー界のためにラグビーの未来のために、またラグビーをプレーするすべての子どもたちのために取り組むべき課題だ。ラグビーの地域格差に取り組む人達が全国にいる。
わずかだが私が情報に触れてきた活動を紹介する。

(1)香川県で普及活動、(元)プロラグビー選手片岡将さん

2022年シーズンを持って引退を表明した片岡選手。私が最初にラグビーの地域格差を実感したのは、片岡選手の話を聞いたことだった。

香川県出身の唯一の現役トップリーガーだったころに「現役の自分だからこそできることがある」と始めた香川県での認知活動を進めている。

(2) Bigman & Fastman Camp

1つの地域を盛り上げるだけでなく、全国の才能を発掘して伸ばす活動もある。元ラグビー日本代表であり、現在はユースの発掘と育成に取り組む野澤武史さんが旗揚げした「Bigman & Fastman Camp」だ。

自薦要件にある身体能力は

高校1・2年生、身長190㎝以上、体重115㎏以上、立ち幅跳び280㎝以上のいずれかに準ずる(近似値も可)。

スキルは練習で向上しますが、持って生まれた体格や身体能力には差がある。持って生まれたなら全国どこにいても最高のスタッフに指導され磨かれる機会を得る。まさに地域格差の解消だ。

(3) #ラグビーを止めるな

「Bigman & Fastman Camp」と同じ野澤武史さんが発起人のお1人となり、その後はラグビー以外のスポーツも巻き込み、「#スポーツを止めるな」となった。
新型コロナウイルス流行によって、試合がなくなったことで大学やチームのスカウトの目に留まらない→進路のチャンスが狭まることを問題の発端になったプロジェクトである。オンラインを表現舞台にしたことで、これまでスカウトが回り切れなかった地方の高校や選手にも注目が集まる機会となった。

ちなみに、「ラグビーに恋して ~ Beyond 2019」ではわずかですがサポートや有料記事の収益を #スポーツを止めるな2020 のクラウドファウンディングに使用しました。
引き続き応援していきます。

(4) 岸岡智樹のラグビー教室

リーグワン所属岸岡智樹選手が自ら主宰するラグビー教室。
2021年から始まっているこの活動の目的の1つにラグビーにおける地域格差の改善がある。

前述した高校生の環境の差は地域のレベル差にも繋がっている。そのさらに前段階の小中学生にアプローチをする。

これからも各地で地域格差に取り組む人・団体を応援します。

この記事は都度更新をしていきます。

サポートはラグビー関係のクラウドファウンディングや寄付に充てます(例:ブラインドラグビーのイングランド遠征)。「いいな」と思ったら、サポートをお願いいたします。