BBAヲタと〝疣〟
疣。
今、このnoteを開いてくださったあなた、こちら、読めましたでしょうか?
えっ? ヤマイ?
惜しいけれどハズレです。
似てはいますが、ヤマイは「病」。
これは、「イボ」と読みます。
イボ!!
なんとも若々しさに欠ける、不穏な響き。
サマステ参戦を間近に控えたある日、ふと目尻に手をやった私は、なにやら肌に違和感を覚えました。
コリッとしたものが、指先に触れたのです。
慌てて鏡を覗くと、米粒ほどの突起が、まぶたの端に鎮座しています。
これってもしかして、イボ……?
それまでは、比較的安寧だった私の目まわり。
そこにいきなり、ヤツは現れました。
まるで急遽先輩グループに押し込まれた後輩のごとく、疣はいる。
けれど、彼からは早くもそのポジションに溶け込まんとする野心が、ヒシヒシと感じられます。
年を重ねるにつけ、ニキビや吹き出ものではない未知の何かが、顔に現れるようになりました。しかたのないことだとは思います。
でも、「これも老化演出か」と開き直って疣が大きくなれば見てくれも悪かろうし、何より、双眼鏡を覗くとき引っかかって邪魔になったら相当にだるい。推し活の妨げはぶっ倒していくのが、ヲタのあるべき姿です。
やむなく、私は皮膚科のドアを叩きました。
ワンチャン、医師が「ニキビの赤ちゃんだよ」とか言ってくれるのを期待しましたが、情緒なく「イボだね」と斬り捨てられました。
「どうします? 取りますか?」と医師。頷く私。
炭酸ガスレーザーなるものがパシュッ!と放たれ、疣は一瞬で消えました。
「このパシュッ!っていう音、銀テバズーカみたいよな」などと思う余裕もあるほど、あっけなく。
疣よさらば。今回のグループ加入はナシで。
看護師さんにやさしく軟膏を塗られて待合室に行くと、くしくもHiHi Jetsの写真をバッグに提げた女子がいました。
スタッフさんと美容液の導入を云々……と話していらしたので、エステ的な治療をされる模様。
疣を殺しに来た私と、美肌を育てに来た彼女。
そんなふたりが、たがいに「こっち見て!」と思いつつ、同じ会場に立とうとは。
推し活って、本当におもしろいものですね。
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