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BBAヲタとAVALANCHE~雪崩~
ここ最近、手越祐也さんのご著書(AVALANCHE~雪崩~)について、賛否両論のご感想をバンバンいただきます。
「なぜ、お前に?」と思われる方もおられましょう。
しかしながら、そこは長年ヲタ界で出がらしの渋茶をすすってきた私。
いつからそこにあるかわからない、ちゃぶ台のような存在です。
〝ぽたぽた焼き〟でも焼きながら、「おばあちゃん、聞いて!」と駆け込んでくる嬢やたちを迎えるのは、やぶさかではありません。
くだんのみなさまのご意見は、大きく2つに分かれます。
ひとつは、「あれは暴露本なんかじゃない。たしかに、ちょっと書きすぎているかもしれないけど、それも彼らしい距離感だと思う。いやなら見なければいい」というもの。
もうひとつは、「自担のことが実名で書かれていて不愉快。大事な人に関わることを、〝いやなら見るな〟とはねつけるのは乱暴すぎる」というものです。
私も〝ぽたぽた焼き〟を焼く手をとめて、手越氏のご著書を拝読しました。
「むぅ……なるほど」
ファーストインプレッションとしては、「〝スピード感〟にこだわりすぎて、高速道路の暴走カーっぽい残念さがグイグイくるな」というところでしょうか。
思いを伝える本を出すのは悪いことではないので、たとえば1年後、2年後、じっくり練り込んだ丁寧な読み物に仕上げれば、今回のような〝出落ち感〟のない、美しい本にできたのではないかと悔やまれます。
何より、速さやインパクトで勝負をかけるにしても、そのために守るべき流儀は厳然としてあります。その最たるものが、人様のエピソードを〝実名〟で書くことです。
今回のようなケースでどなたかのことを実名で記すとき、必ずその方のご確認と合意をいただくのが、まっとうな本づくりのマナーとされます。
また、専門外なのに人様のご病状を憶測で決めつけるのもいただけません。
ぽたぽた焼きを焼きつつ編集者でもあるので、この点は非常に気になりました。
もちろん、「そりゃそうだろうけど、今回は無視していくよ」という本もたくさんあり、そうしたものは光より闇、アングラ的な見方をされてしまいます。本書もそう。
これをふまえて、先の2つのご意見に戻ります。
まず、肯定派の嬢やたちへ。
手越さんが「自分の気持ちはこうで、こういうふうに受け止めてほしい」ということを、望みどおりのかたちで受け取られたことは、彼にとってありがたいことだと思います。皆様は、「この部分、彼は本当はこう言いたいんだよ!」と〝翻訳〟してくださったりもしますよね。
本書にはグラビアもありましたから、元気そうなお姿を見て安心したり、励まされたのであれば、それもよきこと。
とはいえ、もし手越さんと、実名で書かれた他の方々が〝逆の立場〟だったらどうでしょうか? 手越さんは、さんざん「真実とは違う報道を正したい」と言ってこられましたが、ご自身が憂えたことを、本書では他ならぬ彼自身がやっているように思います。
特に、人様のご病状について触れておられた部分は看過できません。
彼のこうしたスタンスについて、俎上に載せられた方のファンの皆様が「放っておけない」のは当然のことと思います。手越さんのファンでなくても、自分の推しが引き合いに出された以上、それは無視できない〝自分事〟となるからです。
皆様が本書を楽しく読まれたのは、とてもいいことです。
手越さんご自身も、心強く思われるのではないでしょうか。けれど、〝自分事〟になってしまった他のファンの方々に「いやなら見るな」「彼を責めるな」というのは、横暴というもの。ご自身を相手の立場と置き換えてもう一度読み、手越さんを叱咤激励するような応援ができれば、さらに素敵な関係が築けるのではないかと思います。
続いて、傷つかれた嬢やたちへ
お気持ちをお察しします。
「オレはルールに縛られず、風を切って走りたいんだ!」というヒーローが、文字通りビュンビュン飛ばして駆け抜けていったとします。クローズアップされ、疾走する車体の万能感、無敵感は人を酔わせるものがあるでしょう。
けれど、突然の爆走で蹴散らされる花、跳ね飛ばされるいきもの、むき出しにされるやわらかな路面、それらを愛する人の気持ちを思うと、いたたまれないものがあります。
人様の大切な花を手折っておきながら、「かわいそうなことをした。でもオレは思い通りにしたかったんだ」「悪気はなかった」という理屈は、ご自身にしか通らないように思います。
私自身、残念に思いましたし、これまで自分が応援しつつ認識してきた〝手越さん像〟を構築し直さなければならなくなりました。
それでも、皆様が愛しておられる〝推し〟、あるいは、「本書を機に降りたけれど、今まで手越さんを大切に思われてきたお気持ち」は、誰が何を言おうと書こうと穢されるものではありませんから、その点はご心配に及ばないと思います。
〝推し〟〝自担〟さんたちは皆様のお気持ちに守られていますから、「なんか火の粉が降りかかったけど、私が払ったから大丈夫!」と思っておけばいいのでは。
また、担降りした方は、「今まではたしかに楽しませてもらった。ありがとう」と線を引き、時と距離がこなれて彼が〝他人〟になるまでゆったり待ちましょう。かならず、お気持ちは癒えますので。
こんなところが、本書に関する私の見解です。
なんでも手越さんは、本書の反応に落ち込み、「やっちまったかぁ」と嘆いたり、「名前を出した方々に謝罪」(?)というようなアクションを起こしたそうですが、どのようなお心持ちだったのでしょうか。これから、どのように歩を進めるのでしょうか……?
……おっと。ぽたぽた焼きがこげてしまいました。
そこの、そう、そのへんのやつは大丈夫かな?
美味しそうに焼けましたので、ちょっと一服しませんか?
今、お茶を淹れてきますね(^^)