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サービス業を通した人間関係の距離感と配慮

今、一時帰国中で日本にいる。基本は夏休みで帰省中、といったところだが、大学の仕事の会議やメールでのやり取りは時差がある中ひっきりなしにあるし、日本でお引き受けした仕事もあるので全くの夏休みでもない。

実家だとついのんびりしてしまうので、日本に帰ってもカフェを利用して作業をすることがとても多い。

色々なカフェに行く。地元に根付いた老舗喫茶店にも行くし、日本のコーヒーチェーン店はコーヒーだけでなく軽食も出来るから大好きだ。日本のサービスはフランスのそれと違ってきめ細やかな配慮がされ感じも良いので、ああ、やっぱり日本はいいなあと思う事がよくある。

ただ一つだけ気になることがある。世界的有名コーヒーチェーン店に足を運ぶと、会社の方針だと思われるが必ず「暑いですね」とか「今日はお休みですか」とか「お仕事ですか」とか「アーモンドラテはお好きなんですか」とか「今日はお買い物ですか」とか「これからどこかに行かれるんですか」とか色々聞かれる。

客側からすると、これが親しみやすい雰囲気だなと思う場合と、逆に色々聞かれて苦痛だな、まるで職質だよね、と思ってしまう場合がある。客にとって良かれと思ってやっている接客が裏目に出ているのだ。


人間関係の距離感って人それぞれ心地よいゾーンが違うから、皆に同じトーンで同じ質問をするのでなく、お客さんによって様子を見ながら少しずつ距離感を縮めていく教育までを企業が出来たなら最高のサービスを提供できると思うのだが、アルバイトにそこまで教育するのは難しいだろうな、と毎回このコーヒーチェーン店に来る度に考えたりする。

インターネットの普及やコロナ禍でリモートやSNSでのコミュニケーションが増え、家族間でも友人間でも仕事でも電話をすることもなくなり、リアルな会話の機会どんどん少なくなっているから、人間関係の距離感や、相手がどう思っているかを読み取る想像力や、どんなことを言ったら相手が不愉快になるかを配慮することが苦手な人も増えてきている。

逆に、そんな中、こちらの世界的有名コーヒーチェーン店が心掛けている接客方針は、アルバイトの子達にもお客さんにとっても、対話コミュニケーションを試す良い機会かもしれないし、私も広い心で彼らの接客を見守るのも大人としての役割かもしれない。


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