「正直」な日本人、自己プレゼン能力の高い欧米人
半年休んで、やっと転職活動に力を入れられるようになった。そしてここ2週間の間、本格的に昔の同僚達やヘッドハンター達と積極的に会って、いろいろな情報を得ることができた。
私の希望している職種は、その求人自体を社外はもちろんのこと、社内でも特定の人以外には秘密にして求人を進める企業が多いので、求人広告などは全く出ないし、求人している会社が依頼するヘッドハンターを通してしかその求人に応募することは出来ない。
だから、ありとあらゆるところにコンタクトして、どこのブランドが、普段どのヘッドハンターを利用して求人しているか突き止めなくてはならない。さらに世界中のファッション専門のヘッドハンターに会って、来るべき求人が来た時に私に連絡をするようにお願いと、自分がどんな職種に就きたいのかキチンと説明をしておかなくてはならない。
その作業はコツさえつかめばそんなに難しいことではないのだが、それでもLinkedInを見ながら誰に連絡を取ったらいいか調べたり、忙しい元同僚を捕まえてご飯しながら彼らが現在勤めているブランドの状況や噂話をコツコツと聞いてまわるのは結構時間がかかる。
私の転職活動の動機と方法に関してはこちらにもう少し詳しく書いてあります。合わせてどうぞ↓
「正直」な日本人
ところで、欧米人は面接や会議の際、自分自身をよく見せるためのプレゼンテーション能力に長けている人がとても多い、もちろんそれが苦手な欧米人も存在するし、日本人の中にだって、自己プレゼン能力が優れている人はたくさんいると思う。
でも、一般的には日本人は自分の良いところを上手に話すことが出来ない人が多いのではないかなと思う。何事も正直に言い過ぎてしまうのだ。
私は、実はどちらかというとフランス語で話す方が英語で話すより得意だ。何しろ通算して15年半パリに住んでいて、フランスの企業でフランス語で働いていたりするのだから無理もない。
英語は書いたり読んだりするのは全く問題ないが、会議で大勢の前で英語で話したり、銀行や保険会社や、どこかのカスタマーセンターのようなところに電話するのは、ニューヨークのアメリカ企業で3年半働いた経験のある今でもまだちょっと怖いことがある。
だから、先日、久しぶりに会ったヘッドハンターから後日電話で「英語話せる?」って聞かれて私は「うーん、まあ話せるけど仏語の方が得意かな」ってつい言ってしまった。それは本当にそうなんだけど、待てよ、バカ正直すぎやしないか。
なぜ「3年半NYで働いてたんだから話せないわけないじゃない?」って言い返せなかったのか…。
私が人前で言う「あまり話せない」レベルは実は結構話せるレベルだったりするのに。
でも、もしかしたらネイティブの人からしたら、私は全くきちんと話せていないかもしれない。「ちゃんと話せていないくせに、ちゃんと話せるって言ってるよあの人」などと陰口を言われるのはたまらない。ということでつい謙遜してしまうのだ。
嘘をつくのはよくない、でも仕事で山ほどいる競合者の中から選ばれるためには、自分自身を良く見せるための「言い回し」を身につけて、ちょっとでも自分が有利になるように持っていかなければならない。
特に今までもポジションよりも上を目指すなら自己肯定感を高めて、嘘でも「出来ます」と言えるくらいでないときっと上まで登れないと思う。
でもこれはあくまで仕事の時だけであって、プライベートでは「バカ正直」のままで素直に生きていきたいなと思ったりする。
やっぱり自分を「必要以上に」大きく見せるのは苦手なのかもしれない。