PydanticAIについて
PydanticAIは、PythonのデータバリデーションライブラリであるPydanticを基盤にして開発されたエージェントフレームワークです。このフレームワークは、生成AIを活用した本番グレードのアプリケーションを簡単に構築するために設計されています[2]。
主な特徴
生成AIの活用: PydanticAIは、OpenAI SDKやLangChainなど、多くのLLM(大規模言語モデル)ライブラリと統合されています。これにより、AIを活用したアプリケーションの構築が容易になります[2]。
型安全性: 型安全な依存性注入システムを提供し、テストや評価駆動型の開発をサポートします[2]。
モデル非依存設計: OpenAIやGeminiなどのモデルに対応しており、他のモデルをサポートするためのシンプルなインターフェースも用意されています[2]。
構造化レスポンスのバリデーション: ストリーミングされた構造化レスポンスをPydanticでバリデーションすることが可能です[2]。
利用例
PydanticAIは、エージェントというコンセプトを中心に設計されています。エージェントは、システムプロンプトやツール、結果型、依存関係を含むコンテナとして機能し、再利用可能な設計がされています。これはFastAPIのアプリケーションやルーターに似た設計思想を持っています[2]。
以下は簡単なエージェント定義の例です:
from pydantic_ai import Agent
agent = Agent(
'openai:gpt-4o-mini',
system_prompt='あなたは大阪のおばちゃんです。ユーザと大阪弁で楽しく会話します。'
)
result = agent.run_sync('競馬の楽しさを5つリストアップして')
print(result.data)
この例では、OpenAIのGPTモデルを使用して会話エージェントを作成し、大阪弁でユーザーと対話する設定になっています[2]。
結論
PydanticAIは、Pydanticの強力な型安全性とバリデーション機能を活かしつつ、生成AIを用いたアプリケーション開発を支援するフレームワークです。これにより、開発者はより迅速かつ効率的に高度なAIアプリケーションを構築できるようになります。
Citations:
[1] https://docs.pydantic.dev/latest/
[2] https://zenn.dev/kun432/scraps/83e7570920a802
[3] https://qiita.com/Tomato_otamoT/items/73a2ae7f03354a42c53a
[4] https://blog.nflabs.jp/entry/2023/07/25/100000
[5] https://engineering.nifty.co.jp/blog/5995
[6] https://engineers.safie.link/entry/2023/07/05/fastapi-pydantic-v2
[7] https://tech.revcomm.co.jp/csv-validation-using-pydantic
[8] https://qiita.com/0622okakyo/items/d1dcb896621907f9002b
PydanticAIの具体的な使い方
PydanticAIは、生成AIを活用したアプリケーションを構築するためのPythonエージェントフレームワークです。以下に、PydanticAIの具体的な使い方を示します。
基本的なエージェントの作成
PydanticAIを使用するためには、まずエージェントを定義します。エージェントは、使用するモデルやシステムプロンプトを指定して作成します。
from pydantic_ai import Agent
agent = Agent(
'openai:gpt-4o-mini',
system_prompt='あなたは大阪のおばちゃんです。ユーザと大阪弁で楽しく会話します。'
)
result = agent.run_sync('競馬の楽しさを5つリストアップして')
print(result.data)
この例では、OpenAIのGPTモデルを使用し、大阪弁で会話する設定のエージェントを作成しています[4][9]。
非同期処理と依存性注入
PydanticAIは非同期処理をサポートしており、依存性注入も可能です。以下は非同期でエージェントを実行する例です。
import asyncio
from pydantic_ai import Agent
async def main():
agent = Agent(
"openai:gpt-4o-mini",
system_prompt="すべてツンデレ口調で回答してください。"
)
result = await agent.run("東ティモールの首都は?")
print(result.data)
if __name__ == "__main__":
asyncio.run(main())
このコードでは、ツンデレ口調で応答するように設定されたエージェントが質問に答えます[4][9]。
複雑なワークフローとツールの定義
PydanticAIでは、複雑なワークフローやツールを定義することもできます。以下はサイコロゲームの例です。
import random
from pydantic_ai import Agent, RunContext
agent = Agent(
"openai:gpt-4o-mini",
system_prompt=(
"あなたはサイコロゲームです。サイコロを振って、出た目がユーザーの予想と"
"一致するかどうかを確認してください。一致した場合は、プレイヤーの名前を使って"
"勝者であることを伝えてください。"
)
)
@agent.tool_plain
def roll_die() -> str:
"""Roll a six-sided die and return the result."""
return str(random.randint(1, 6))
async def main():
result = await agent.run("サイコロを振ってください")
print(result.data)
if __name__ == "__main__":
asyncio.run(main())
この例では、サイコロゲームとして機能するエージェントが定義されています[4][9]。
まとめ
PydanticAIは、生成AIアプリケーション開発において柔軟性と効率性を提供する強力なツールです。型安全性や依存性注入、非同期処理などの機能により、高度なAI駆動アプリケーションを簡単に構築できます[10][5]。
Citations:
[1] https://chocottopro.com/?p=518
[2] https://zenn.dev/taka256/articles/c7213c359dd2cf
[3] https://docs.pydantic.dev/latest/
[4] https://qiita.com/atsukish/items/a1613c77cecd41980467
[5] https://tech-blog.abeja.asia/entry/advent-2024-day12-2
[6] https://book.st-hakky.com/hakky/pydantic-intro/
[7] https://lyz-code.github.io/blue-book/coding/python/pydantic/
[8] https://docs.pydantic.dev/latest/concepts/models/
[9] https://zenn.dev/kun432/scraps/83e7570920a802
[10] https://aipure.ai/jp/articles/pydanticai-review-revolutionizing-ai-app-development
主な違い
PydanticAIとLangChainは、どちらも生成AIを活用したアプリケーション開発を支援するフレームワークですが、それぞれ異なる特徴と強みを持っています。以下にその主な違いを示します。
特徴/機能PydanticAILangChain型安全性Pydanticを基盤にしており、型安全なデータバリデーションを提供します[1][5][9]。型安全性に特化した設計はなく、柔軟性とモジュール性に重点を置いています[3][4]。モデル非依存性OpenAI、Gemini、Groqなど、複数のLLMモデルをサポートし、特定のプロバイダーに依存しない設計です[1][5][9]。多様なモデル(OpenAI, Hugging Faceなど)との統合が可能で、プロンプトやチェーン機能を活用します[3][4]。柔軟性とモジュール性主にPydanticの型安全性と構造化レスポンス検証に焦点を当てています[1][2]。高度なモジュール性があり、プロンプトテンプレートやチェーンによる複雑なタスクの実行が可能です[3][7]。依存性注入型安全な依存性注入システムを持ち、モジュール間の結合度を低く保ちながらテストや再利用性を向上させます[2][5]。特に依存性注入には特化していませんが、多様なデータソースとの統合が容易です[3][7]。ストリーミングレスポンスストリーミングレスポンスのサポートと構造化されたレスポンス検証を提供します[2][5]。ストリーミングレスポンスに関する特別な機能は記載されていませんが、外部データとの連携が強みです[3][7]。ユースケース型安全で信頼性の高いAIアプリケーションの開発に適しており、本番環境向けの堅牢なシステム構築に向いています[2][5]。チャットボットや質問応答システムなど、多様なAIソリューションの迅速な構築に適しています[3][4]。
結論
PydanticAIは型安全性とデータバリデーションを重視し、信頼性の高いアプリケーション開発に適しています。一方、LangChainは柔軟でモジュール化された設計により、複雑なタスクや多様なユースケースへの対応力があります。それぞれのフレームワークは異なるニーズや開発スタイルに応じて選択されるべきです。
Citations:
[1] https://zenn.dev/finatext/articles/pydantic-ai-introduction
[2] https://scrapbox.io/suzuki-log/PydanticAI
[3] https://ai-front-trend.jp/what-is-langchain/
[4] https://aismiley.co.jp/ai_news/what-is-langchain-chagpt-python/
[5] https://aipure.ai/jp/articles/pydanticai-review-revolutionizing-ai-app-development
[6] https://qiita.com/chi1180/items/baf3d749d230908d0370
[7] https://www.alibabacloud.com/help/ja/cloud-migration-guide-for-beginners/latest/langchain
[8] https://speakerdeck.com/olivemochi23/pydanticainoji-ben-tohuo-yong
[9] https://aipure.ai/jp/products/pydantic-ai/introduction
[10] https://tech-blog.abeja.asia/entry/advent-2024-day12-2