某社のCMOSアニーリング
H社がアニーリングで組合せ最適化問題を高速に解いたという記事がでていた.
こういった手法の評価には,プロはベンチマーク問題例で比較するのだが,どうやら最大カット問題に対する貪欲解法と比較をしているようだ.
1976年の理論的な研究で,高速(線形時間)だが,解の精度としてはかなり悪いのだが,これと同等の解に到達するまでの時間で比べている.
ものすごく悪い解に高速で到達するのなら貪欲解法で十分だ.線形時間なので,データをメモリ上に読む必要がある手法だと,これに叶うわけがない.
宣伝だけならいいのだが,実際問題の解決ができると言っている.これは論外だ.ものすごく悪い(貪欲解法程度の)解を出して,最適化自体の評判を落とさないようにして欲しいものだ.
まあ,わからない人たちは会社のネームバリューとスライドの綺麗さで騙されてしまうのかもしれない.
スライドは某研究部会のページでダウンロードできるが,見ても価値がないものなのでここにはあげない.
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