非デザイナにデザインの何をどう教えるべきか
デザインに関するトークをする機会を頂きました。
対象となる方々は主に金融機関にお勤めの方々で営業畑出身の方もいらっしゃればベンチャーキャピタル的なお仕事をされてきた人もいらっしゃるし、システム部的なところに所属している方もいらっしゃったりとバックグラウンドは本当に様々。彼らに共通点があるとしたら、デザインの経験はほぼゼロということと「新しい金融サービスを作りだす」というミッションが与えられていることだろうか。
ところで非デザイナからデザインに関して教えて欲しいと言われた時に、我々は何を話すべきでしょうか。過去に似たような非デザイナ向けのトークとしてはCopenhagen Bussiness School(CBS)のマーケティングのクラスの中でゲストスピーカーとしてトークしたことがあり、このと気にはデザインプロセスやデザインとマーケティングのつながりなどについて話をしました。これはこれで好評頂いたのですが、これはおそらく今回のケースにはそぐわないでしょう。
多くの人にとってデザインというフレーズから連想するイメージとしてはおそらくチラシやポスター、ロゴ、名刺を作ったりという、いわゆるビジュアル的なものかと思います。もしくは、彼らのミッションに照らし合わせれば、彼らの最終的な成果物は新しい金融サービスの実現ですから、例えばiPhoneやAndroidのアプリをリリースすることを見越してそれらのUIのデザインをイメージしているかもしれませんし、Webサイトを通して何らかのサービスを提供する事になるかもしれないからWebのデザイン、もしくはATMなどを通して提供するようなアプリケーションの画面デザインなどをイメージしているかも知れません。
これらは間違いなくデザインです。ですが、「デザインについて教えて欲しい」と言われた時に、このようなUIデザインやグラフィックデザインに関する話から始めるのが正しいのでしょうか。そうだとしても、グラフィックやUIの何を話せば良いのでしょうか。述べるまでもありませんが、彼らはsketchやIllustratorの使い方を知りたいわけではないし、ワイヤーフレームの描き方を知りたいわけでもないでしょう。ノンデザイナーズ・デザインブックは非デザイナがデザインの基礎を学ぶのに良い本だと思いますが、こういったものを学びたいわけでも無いはずです。
一方で「デザインは問題解決である」とかからトークをスタートするべきなのでしょうか。問題発見、問題定義は今後新規サービスを企画していく彼らにとって必要不可欠なスキルであることは間違いないでしょうが、例えばフレーミングについて話せば彼らは喜んでくれるでしょうか。
と、私一人で考えていても仕方が無いので単刀直入に聞いてみました。「デザインについて教えて欲しいっていうのは結局何が知りたいの?」と。色々と話をしてわかったこととして、結局のところ彼らは新しいサービスを企画する上で「どうやったら良いUI/UXを実現することが出来るのか」について興味があるのです。なるほどたしかにそれは彼らにとって間違いなく重要ポイントでしょう。と言うことで下記のような内容に関するトークが面白いのではないかと考えました。
1. UIとは何か
2. 良いUIのメリット/悪いUIのデメリット
3. 企画の早いフェーズでUIについて考えるべき理由
4. 良いUI/悪いUIの見分け方
もちろん実際にデザインを考える上でフレーミングやバイアス等、伝えるべきことは多々あるのですが、これぐらいの内容ってUIについて考える際の導入としては悪く無いのではないかと思っています。個人的にはワイヤーフレーム作成に関するワークショップ(いわゆるイテレーティブなビルド&テスト)までできればと思っているのですが、それはまた次回の課題としても良いのかなと。
そんなわけで、これらそれぞれどういった内容で話をしたかについては次回のnoteに書ければと思っています。