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デザインファームの作り方(2) 会社名を決めるため、やりたいことを考える

下記の記事にて、会社名の付け方について色々と書いてみたものの結局自分のやりたい事を明確にするのが先なのではないかという、どう考えても当たり前の結論に行き着いてしまったので、まずそこを考えてみるのが良さそうです。

私自身が興味を持っている分野としてはサービスデザインや、UXデザイン、インタラクションデザインなどの分野になるのでしょうが、そもそもデザインは大変に曖昧な言葉で人によって受け取る意味が異なります。私の場合はどうだろうかと考えた場合に、新卒から8年間ほど勤めた某社での経験はもちろんのことですが、留学していたCIIDでの経験が私のデザイン観に多大な影響を与えているのは疑う余地もないでしょう。

さて、CIIDのカルチャー、とまで言って良いのかまではわかりませんが、教授陣に良く言われた事のひとつに「Meke It Visual」があります。

アイディア出しをする時の議論だとか、プロジェクトの方向性を定める時のディスカッションだとか、リサーチの結果共有や今後の計画作りなど、どんな工程であっても、プロジェクトの成果を随時、目に見える形にするということを求められます。

多くはポストイットだとか。ちょっと複雑なものであればコピー用紙に書く事もありますし、ホワイトボードを使う事もあります。そしてこれは必ずしも絵である必用は無くてレゴブロックの場合もありますし、ダンボールや映像の場合もあればXDなどでちゃちゃっと作ったプロトタイプや、グラフやチャートなどの場合もあります。

Visualのフォーマットは様々ですがこのようにして、目に見えるようにすることの利点というのはいくつかあって、ひとつは他人のアイディアの上にアイディアを積み上げやすくなるという事でしょうか。

例えば、上記画像は私達がギターをモチーフにプロトタイプを作った時の最初のプロトタイプです。3分ぐらいでサクッと作ったものだと思います。人は目の前に無いものについて議論している時には、どんなギターが良いのか、ある人は機能についてアイディアを出すし、ある人はデザイン面について話をしたりと、議論の方向性がいまいちまとまっていない状態でした。

ところが、簡単にでも良いので目の前にモノがあると、ここはこうしたほうが良いよねとか、こういう機能があると面白いんじゃないかとか、こういうデザインだったらどうかなとか、もしくはそもそもそういう方向性じゃない!という場合もあるでしょうがいずれにせよ議論がより前に進むようになるように感じましたし、そもそも議論の過程を把握しやすくするというメリットもあります。

CIIDにおいてデザイナの役割は「Opportunity Scout 」「Storyteller」「Executor」の3種類であると定義されているのですが、どの役割であっても「Make It Visualによってプロジェクトを前に進める」が重要である点は共通しているのだろうなと私は考えています。

これだけでは抽象的なので実際にはもう少し具体的なところまで落とさないといけないにしても、なんとなくではあるものの私が作る会社でやりたい事が見えてきた気がします。これをうまく表す単語が何か無いかと考えたところ思いつたもののひとつにAnchorがありました。日本語だと船の錨という意味ですね。

実際に行う仕事としては、デザインリサーチを通して新規事業のコンセプトを作る事であったり、プロトタイピングを通して仮説検証を進めることが中心になるのかなとは思うのですが、そういえば新規事業創出は航海に例えられる事が多いですし、CIIDでの授業でとある教授が「世界はbeautiful messである」のようなことを語っていた事が私の中で大変印象深く残って居ます。そうしたメタファを念頭におき、新規事業の創出を支える存在として錨は意味が通るでしょう。そういえば我々は実務面でもイラストレータのアンカーポイントに大変お世話になっていますが、これは流石に蛇足でしょうか。

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