周期性発熱症候群(PFAPA)になってから落ち着くまでの記録
私の次男が周期性発熱症候群という病気になっていた時の話です。
2015年から2020年までの5年間です。
上の画像が毎日の体温を記録したグラフです。(但し、2015~2018年は実測ではなく発熱して保育園を休んだ最初の日を38.5℃にした。)
周期性発熱症候群というのは、専門的なページがいくつも出来てきたのでそちらをご覧下さい。
人により症状の違いはありますが、簡単に言えば「毎月2回は風邪をひく」という病気です。
簡単に説明すると、
1~4才位の幼児の頃に発症します。うちでは2歳4ヶ月でした。
発作は平均3~8週間毎に繰り返し38~40℃の熱を出します。と、専門的なページには書かれていますがうちでは毎週発熱していたこともありました。
発熱したら4~5日、長ければ1週間程度具合が悪い。
繰り返しの間(間欠期)には症状がない。発熱がなければ元気な子です。
口内炎やリンパ節炎、喉の痛み、扁桃腺の腫れなどが見られます。うちは口内炎はありませんでしたが、扁桃腺と倦怠感がありました。
発症後4~8年程で自然に治る事が多い。うちは1歳半で発症し7才の時に自然に治りました。
2015年 (1~2才) 前兆
6/10のアデノウイルス、6/26の手足口病。その後9/18と10/1、11/26、12/3、12/17と立て続けに風邪を引く次男。
「なんだか今年は風邪をひくよね。今年は寒いからね~保育園で胃腸炎もはやったし」なんという会話をしていた頃。
このくらい年齢の子は38℃の発熱でも家で元気に飛び回っているので、さほど心配はしておらず。あとから見返してみると2015年の秋に周期性発熱症候群が始まったようです。この頃は全く気づきませんでしたが。
看病は、共働きなのでいざという時の保険として病児保育のフローレンスの会員になっていました(長男が保育園に行くようになってから)。その後、次男も登録していましたので、このときは仕事の様子を見てフローレンスさんに依頼。その後フローレンスさんが大活躍することになるとは夢にも思っていませんでしたが。。。
2016年 (2~3才) 本格的な発症
年明け正月から扁桃腺が腫れて40℃の発熱で、年初の1週間潰れる。がその後、4月末までは元気。
4月末に38.8℃の発熱があり、次の6月末の発熱から怒濤の発熱開始!
7月、8月、9月、10月、11月、12月と毎月2回の発熱!
1週間か2週間開けての1週間発熱開始。
熱出している合間に保育園に行っているような生活になります。朝、抱っこすると「あ、あったかい・・・まただ・・・」というのが毎週のように。
ここでフローレンスさん大活躍!!担当の方がおなじみさん状態です。
発熱したら病院へ、というのが保育園の鉄則なので「腕は悪いが空いてて無難な診断が出るクリニック」に毎回足を運ぶ。「また来たの~」と言われてがっくり。
この頃に出た病名は以下の通り。喘息性気管支炎
扁桃腺炎
急性上気道炎
上気道炎
急性扁桃腺炎
急性咽頭炎
咽頭炎
保育園にも「また熱出しました」というのがなんだか気が引けてしまう頃。
「小さい子はすぐ熱を出すからね~」←という一般論とはレベルの違う熱の頻度なのでちょっと理解を得られず、ガックリ。
はあ、この頃は身も心も財布も辛かった。
2017年 (3~4才) 試行錯誤する
いや~去年は大変だった、寒いかっこさせてたかな?でも長男も同じだけど平気だし、次男だけ体力ないのかな?体が弱いのか?など次男が虚弱なんじゃないかと疑い、色々と民間療法的なものを試し始めたころ。
ラクトフェリンのサプリ、乾布摩擦、エキナセアのサプリなどを試す。
保育園のノートやフローレンスさんの履歴を元に休んだリストを作成し、休んだ間隔が短くなってないかExcelとにらめっこするが、特に大きな変化は無し。
サプリを変えてから結果が出るまで時間が掛かるので、じれったくてしょうがありません。
そして今月は2週間空いた(熱を出してない!)、なんと今月は1回も熱を出してない、などと喜ぶのもつかの間、1週間で熱をだしたり2週間だったりと元のペースへ。
で、色々と調べている間に「周期性発熱症候群」や「家族性地中海熱」という聞き慣れない病名を目にすることに。「周期性発熱症候群」ってこれがそうなんじゃないか・・・Excelの表を見ても発熱は周期的ではある・・・
こんなことを思いながらも何故か9月10月は熱を出さず。エキナセアのサプリが効いた! と、思いきや2017年は発熱で年末を迎えることに。
2018年 (4~5才) 大学病院へ
2018年は、年明け発熱し、その後、2週間だったり1ヶ月空いたりと相変わらずの発熱。
そろそろ「小学校」という単語がチラつきます。長男も1年生で入学し、このままで平気なんだろうかと、心配はつきません。
2月は一回も熱を出しませんでしたが、3月、4月、5月、6月と月2回のペース。
この頃、Googleのスマートスピーカーを購入し「ねえGoogle 〇〇君 38.9」といって体温を記録する、体温半自動記録システムを構築(2022現在Googleの仕様変更で使えなくなりました)。
このシステムが後々コロナの時に役に立つとは思いませんでした。
それはともかく全然症状が改善の兆しが見えないので「周期性発熱」の線で行動してみようと「混んでるけど腕が良く真面目で信頼できるかかりつけ医さん」の方に相談。小児科医と言えども「周期性発熱症候群」は初めてのようで、医学事典やネットで色々調べてくれた結果「そうかもしれない」、という事で大学病院に紹介状をくれた。
大学病院に行く前に、保育園のノートやフローレンスさんの履歴を元に休んだリストを見やすく整形&印刷し持参しました。
行った病院は、東京女子医科大。幸い自宅からバス1本で40分程。
担当科はリウマチ内科。リウマチってお年寄りの病気のイメージがありましたが、周期性発熱症候群は、自己免疫疾患だからリウマチ内科なんだと理解。
診察時に自作の発熱リストを見ると「これは周期性発熱症候群かも」ということですぐに方針が決定。早速血液検査と、毎日飲むタガメットという薬(元々は胃薬らしいが周期性発熱症候群に効く人もいるので、効くかどうか試しに飲む)、発熱を下げるプレドニゾロン(ステロイド)を頂く。
そして東京女子医科大では、「自己炎症症候群における遺伝子変異と臨床症状の関連の検討」という研究をしているようで、これは原因不明な発熱「不明熱」の患者から採血し遺伝子情報を解析し原因を見つける、という研究です。この研究に参加しませんか?とのことだったので喜んで参加を伝えます。研究参加の準備ができ次第採血を行うということに決まる。
これから女子医大には3ヶ月に一回通うことになり、新しい方向性を得ることが出来ました。よかったよかった。
※東京女子医科大はあれからバタバタしていて今リウマチ内科で周期性発熱症候群が対応できるかどうかは不明です。かかりつけ医にご相談ください。
2019年 (5~6才) 投薬でQoL向上
相変わらずの発熱ですが、プレドニゾロンの効果が著しく、発熱後2~3時間程度ですーっと熱が引いて、翌日保育園にも行けるように。最初は、発熱して翌日の保育園登園に抵抗がありましたが、発熱以外に症状がなかったので保育園側もこのサイクルになれて受け入れてくれました。
3月に遺伝子検査の結果が出ました。日本人で報告があった遺伝性自己炎症性疾患の原因遺伝子について調査したようです。その結果、FMF(家族性地中海熱)の責任遺伝子であるMEFVのexon2とexon3に変異があったようです。
先生から診断書を頂かなかったので病名は分かりませんが、プレドニゾロンがバッチリ効いているので家族性地中海熱ではなさそうです。
原因が分かっても病気が治るわけではありませんが、付き合い方は良く分かるようになりました。プレドニゾロンのおかげでQoLが爆上がりです。
初めて泊まりの旅行にも行けました!
東京から鴨川シーワルドに一泊。次男はホテルの大浴場に大興奮。
東京に戻って翌日には名古屋に向けて出発。夜、名古屋駅の地下で食事をしているときに発熱が!
直ぐに薬を飲んでホテルで一晩寝たらもう元気回復。翌日は元気に関ヶ原を歩き回りました。
プレドニゾロンのおかげで発熱をしても直ぐに下げられるので良かったです。
2020年 (6~7才)~ 治った?
2020年といえばコロナです。保育園の卒園式がどうなるかと心配でしたが、全員マスク着用、保護者のみの出席でこじんまりとした卒園式が行われました。
この頃新型コロナの突然死にサイトカインストームが関わっているかもしれないという話がありました。自己免疫疾患もサイトカインストームが関わっているというのでコロナに罹らないか心配でした。
2020年は1月2月が38度の熱を1週間間隔で出していて、それが10月まで続きましたが、何故か突然発熱がなくなりました。
正確に言うと発熱のピークが38度台→37度台へと下がりました。
この傾向は2021年も続き、2022年現在今のところ発熱もなく健康になりました。
まとめ
2才くらいから7才までの間の5年間周期性発熱症候群とともに生活をしました。
この間に、旅行などの予定は立てることができず、突然の発熱に対応するために近所へのお出かけだけにするなど控えめな生活をしていました。
かかった費用
周期性発熱症候群に限らずだと思いますが、子供の病気は仕事との兼ね合いとの戦い。我が家では発熱をしたら病児保育のフローレンスさんに依頼することで解決していました。次男は発熱していないときは保育園に行っていたので、フローレンスさんに依頼することで保育園に行っているのと同じ環境にすることができていました。
ただ、費用は大分かかります。
以下が、周期性発熱症候群期間のフローレンスさん訪問日数と支払総額です。
2015年 - 9回 ?
2016年 - 29回 90万円ほど?
2017年 - 25回 80万円
2018年 - 23回 64万円
2019年 - 22回 73万円
2020年 - 6回 35万円
2021年 - 9万円
2022年 - 2万円
合計で263万円です(長男の分も入っています。多少ですが)。不明分も合わせると病児保育には350万円ほどかかったかと思います。年間70万円ほどです。中学受験の塾代と同じ感じですね。
これだけの経済的な負担に耐えられたのでフローレンスさんにすぐ依頼していましたが、そうではない場合は両親のどちらかが仕事を休むか(もしくは仕事を辞める)する必要がありそうです。シングルのご家庭の場合は、生活自体の目処がつかなくなることは目に見えています。
当面の対処法
今のところ周期性発熱症候群は直ぐに治る病気ではないようで、そのため対処法は、発熱したらプレドニゾロンでしのぐ、事になるかと思います。
プレドニゾロンの副作用で発熱間隔が短くなるという話もあるようですが、なんにしてもダウンタイムが1日に収まるのは生活リズムを作りやすく、病児保育の負担も軽く、本人の体への負担も軽いためよい選択だと思います。
病院に行く前に
次に、周期性発熱症候群であろうという診断が必要になりますが、病院に行く前に熱の記録だけはとっておいた方が良いです。うちでは予め保育園を休んだリストを作ったので、最初に相談した先生も大学病院でも治療方針を直ぐに決められましたが、もし無かったら熱を記録して見てください。まずは半年。などという風に長引いていたと思います。先生方が判断できるデータは集めて置くとよいです。保育園に行っている型であれば、保育ノートから休んだリストを作るだけでも有用です。
これから熱の記録をする場合は記録方法は、スマホでGoogle SpreadsheetでもExcelでも何でもよいと思いますが、以下の自己炎症疾患友の会に熱型表もありますので、ダウンロードして使用するとよいと思います。熱の記録アプリや自動記録できる体温計を使うのも良いと思います。
色々な情報
私が周期性発熱に悩まされていた2015年くらいは全然情報が無かったのですが、最近は増えてきました。またLINEで周期性発熱のグループもあるようです。また患者の会もあります。
自己炎症疾患友の会
http://autoinflammatory-family.org/
私は病院に行く前にサプリなどを試して見た時期もありましたが、まずは病院に行くことが先決です。その上でサプリなどを試すのはアリかとおもいます。私は使うタイミングがなかったですが、モリンガというサプリが効くという話もあります。
PFAPA対策にモリンガサプリメント。
https://ameblo.jp/ayahime1024/entry-12435415747.html
私は試していませんが、以下ならモリンガのサプリが3ヶ月分で1600円とお安いです。
モリンガ粒 約3か月分 T-771
https://lipusa.co.jp/?pid=169009469
色々な情報を探したり、惑わされたり、すがってみたりすることが多いと思いますが、今のところ確実なのは医療機関に行くことです。まずは体温データを揃えた上で近くの小児科で相談してください。
早く周期性発熱症候群が寛解しますように。
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