1000文字BL「金貸してくれみたいに言うな」
後輩「あの...すみません」
先輩「お、どうした?」
後輩「先輩、今お時間よろしいでしょうか」
先輩「ん?別にいいけど」
後輩「先輩ガム一つくださらないでしょうか...」
先輩「金貸してくれみたいに言うなよ」
後輩「ありがとうございます!」
先輩「もっとフランクでいいよ」
後輩「とんでもない!ありがとうございます」
先輩「変なやつだな、お前」
後輩「実は一つ相談がありまして...」
先輩「どうしたんだ」
後輩「今度の企画会議、僕書類作成担当なんですけど...」
先輩「そうだよな、それがどうした」
後輩「手違いでページを逆順に作成してしまいまして...」
先輩「なんだと!」
後輩「作り直すので、先輩のホッチキスを貸していただけないでしょうか...?」
先輩「金貸してくれみたいに言うなよ」
後輩「よろしいでしょうか...?」
先輩「いいよ!別にお前が俺のホッチキスの針を全部使いきってしまうわけではないだろ!」
後輩「違います」
先輩「じゃあ全然いいよ!てか針全部使い切ってもいいし!替えればいいし!」
後輩「ガムもそうですけど、先輩がホッチキスをどれだけ大切にされているか分かりませんし」
先輩「大事にしてないよ!少なくとも金ほど大切ではないよ!」
後輩「そうですか!よかったです!」
先輩「というか、金だって貸して5〜10分でそっくりそのまま返ってくるなら全然いいし!貸したっきりいつまでも返ってこないから、こっちが催促かけないといけないから嫌なの!」
後輩「勉強になります!」
先輩「勉強になりますとかじゃねえだろ!」
後輩「じゃあ勉強になりません!」
先輩「それは癪だな!」
後輩「すみません!」
先輩「とにかく、いくら先輩相手でも金借りるみたいなテンションで居なくていいから!お前と仲良くしてゆきたいと思ってるから!」
後輩「本当ですか!」
先輩「みんなお前のこと好きだよ!特に俺はお前のこと誰よりも大好きだよ!」
後輩「本当ですか?」
先輩「本当だよ!本当の本当!」
後輩「僕も先輩も男ですけども?」
先輩「そんなの関係ないよ!好きなものは好きなの!嫌いなやつにホッチキス貸さないだろ!」
後輩「ほらやっぱりホッチキス大切にしてるじゃないですか」
先輩「ごめん!結構大事にしてるよ!ともかく、俺はお前のことが大好き!分かってくれた?ねえ愛してる!この世の誰よりも愛してる!」
後輩「じゃあ僕と結婚しても良いですか?」
先輩「それは金貸してくれテンションで言えよ」